7月28日から8月1日にかけて成人1505人を対象に行われた世論調査で、米国の医療システムが非常にうまく運営されていると答えた米国人は、わずか12%だった。有色人種は白人よりも医療へのアクセスに不安を感じており、黒人やヒスパニック系の成人の間では、60%が不安を感じていた。この数値は、白人の間では44%だった。
しかし、政府の健康保険への加入を義務付ける制度を望むと答えたアメリカ人は40%に過ぎず、それを上回る58%が、自由意志で購入できる政府の医療制度を望むと回答した。
一方で、米国の処方薬のコストや精神医療、老人介護施設に関してはさらに評価が低く、これらのサービスに非常に満足していると答えたのは、わずか6%以下だった。
米疾病予防管理センター(CDC)の調査によると、パンデミックが始まった2020年に無保険だった米国人の数は3160万人で、全アメリカ人のほぼ10%にあたる。
米国の医療制度の充実度は裕福な国の中で最下位であることが報告されており、先進国の中でほぼ唯一の国民皆保険制度が無い国として知られている。
2010年にバラク・オバマ前大統領が署名した医療保険改革法(Affordable Care Act)は、何百万人もの無保険の米国人に医療保険を拡大した。民主党議員らは今年、医療費の高騰に対処するため、6月にジョー・バイデン大統領が署名したインフレ抑制法の成立を支援した。この法律により、65才以上の高齢者と障害者のための医療保険メディケアは医薬品メーカーと交渉して100種類の医薬品の価格を下げることができ、Affordable Care Actに基づく健康保険補助金も延長される。
今回の世論調査では、米国人の約80%が連邦政府による薬価の引き下げの交渉を支持していた。今回成立したインフレ抑制法には、メディケア受給者の処方薬負担額の上限を2000ドルとすることや、糖尿病を治療する高齢者がインスリンに支払う額を1か月あたり35ドルに制限することが盛り込まれた。
(forbes.com 原文)