経済・社会

2022.09.22 13:00

イランが戦闘用ドローンをロシア側に納入、役に立つのか?

Getty Images

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ロシアとイランの結びつきが強まっている。証拠となるのは、イランの攻撃用無人機がウクライナとの戦闘用にロシアに納入されていることだ。The Washington Postは、この取引に詳しい様々な情報源からデータを集め、専門家の意見も聞いた。
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米国などの情報機関によると、輸送機は8月19日にイランを離陸し、少なくとも2種類のドローンを搭載した。どちらのタイプの無人機も、レーダーや大砲などの軍事標的を攻撃するための弾薬を搭載することができる。

「ロシア側は満足していない」


しかし、アメリカの特務機関は、これらの無人機には技術的な問題があると報告している。ロシアによる最初の試用運転では、イランの無人機は任務に失敗したという。

「システムにはいくつかのバグがある」と、移送を監視していた政府の関係者は述べる。「ロシア側は満足していない」と、この関係者は匿名を条件に語った。
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同じく匿名を条件にしたバイデン政権の職員は、この無人機の供給について次のように語った。今回のMohajer-6無人機とShahedシリーズの納入は、最初のバッチに過ぎないと考える理由がいくつかある。さまざまな種類の、数百機のイラン製のドローンの移送が計画されている、と。

ロシアは1500〜2000機の軍事偵察用の無人機を保有しているが、敵陣の奥深くで標的を定めた攻撃を行うことができる、攻撃用無人機はほとんど保有していない。しかしウクライナには開戦当初から、ロシア軍の防衛を簡単に突破しトラックや大砲を爆破する「バイラクター」が存在する。

この7月に、バイデン政権はイランがロシアに大量の無人機を供給する可能性について言及した。詳細な内容や無人機の技術的な問題があるかどうかについては、まだ報告されていない。

ハイテク防空システム下で機能するか?


上述の情報筋によれば、8月中旬に、ロシアの飛行機が無人機受け取りのため、イラン軍の基地に数回飛来したという。第一陣にはShahed-129とShahed-191というShahedシリーズの2機の無人機と、Mohajer-6が含まれていた。いずれも偵察と打撃を両立できる、イラン製無人機の最高峰とされている。

情報アナリストによると、この契約はセイエド・コジャトラー・クレイシ准将(イラン国防省の補給・物流部門の責任者)と、テヘランのロシア軍アタッシェが率いるチームによる、数カ月にわたる交渉の結果であるとのことだ。この契約では、イランの技術専門家がロシアに飛んでシステムを設定し、ロシア人の将校がイランで訓練を受けることになっている。

イラン政府は、将来的な無人機の供給についてのアメリカの主張に対して、直接反応することは避けてきた。ある外務省の高官は先月、「イランとロシアの技術協力」を認めながらも、「イランはウクライナの戦争については外交的な解決を望んでいる」と述べた。

イランはすでにイエメンの反政府勢力などに軍事用無人機を提供している。しかしこれらの無人機は、ウクライナで使用されているような高度な電子妨害システムに対してはほとんど試験が行われていない。軍事・安全保障の専門家であるマイケル・ナイツ氏は次のように話す。

「これらの無人機は、ハイテク防空システムの条件下では機能しなかった。反政府勢力によるサウジアラビアやイラクの米軍基地への攻撃の際、最良の結果を得ることはできませんでした。ウクライナのような緊迫した状況では、これらの無人機がなにか問題を起こしてしまっても不思議ではありません」
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編集=石井節子/伏見比那子

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