訃報を聞き、まず初めに頭に浮かんだのが、出井さんの強い眼差しでした。
出井さんとはソニー時代のお付き合いは殆どありませんでしたが、その後ご縁があり、頻繁に交流をさせていただきました。
私のいる教育業界にもご関心を持たれていて、幾度となくご助言を賜りました。
その幅広い経験から、将来どのような人材が世界で活躍するのか、未来を請け負う人間を我々はどのように育てていくべきかなど、学校の先生向けに話をしていただいたこともありました。
プライベートでも大変お世話になり、出井さんが小・中学校時代を過ごした成城学園に私も通っていたので、よく母校の話になったことを思い出します。
どんな時も、その眼には光が宿っていて、現状に満足しない貪欲さというのでしょうか、強い意思のようなものを私は感じていました。
それは決して怒っている訳ではなく、優しさに由来するものでした。
そんな出井さんのことなので、天国でのんびりしつつも、我々のことを穏やかに、そして厳しく、見守り続けてくれると思っています。
気持ちの整理がつきませんが、今はただ、心から感謝の気持ちを伝えたいと思います。
ありがとうございました。
いつかまた、お会いするその日まで。