「世界的に見て、子どもが使っているモバイル機器はセキュリティ対策が十分ではない。親たちの過半数(56%)は、自分が使っているモバイル機器を保護するためにパスワードを使用している。それに対して、未成年者がパスワードを使用している割合はわずか41%で、安全上のリスクが生じている」と、マカフィーは注意喚起している。
安全上のリスクのひとつは金融情報の漏洩で、「自分の子どもが経験したことがある」と答えた親は10%だった。他にも、暗号通貨マイニングを装った偽アプリなどのリスクもある。
こうした問題の一端としてマカフィーは、親たちが、自分のモバイル機器のセキュリティには配慮する一方で、子どもに持たせているスマートフォンなどのモバイル機器については同様の対策を取っていないことを挙げた。
「子どもに持たせているスマートフォンなどのモバイル機器に、パスワードでロックをかけている」と回答した親は42%にすぎない。一方で、「自分のモバイル機器をロックしている」と回答した親は56%だ。
「子どものモバイル機器にアプリを入れるときは、必ず公式ストアからダウンロードする」と答えた親はわずか38%。自分がアプリをダウンロードするときはそうした安全策を講じている、と答えた親は50%だ。
また、子どもに持たせているモバイル機器のオペレーティングシステムをアップデートする確率は37%。自分が使うモバイル機器でアップデートする確率と比べると、3分の1近くも低い。
マカフィーの報告書によると、親たちは、娘より息子に持たせるモバイル機器について、より安全性に配慮している。
「米国では、10歳から14歳の男児を持つ親の40%が、子どもに持たせているモバイル機器にペアレンタルコントロール用ソフトウェアを導入している。それに対して、同年齢の女児の場合は34%だった」と報告書には書かれている。
男児のほうが、モバイル機器で安全策が講じられている一方で、危険に遭遇しているケースも多い。10歳から14歳の男児のうち、「アカウントが危険にさらされた経験がある」と回答したのは29%だった。それに対して、同年齢の女児の場合は16%だった。
同じく10歳から14歳の年齢層で、マカフィーの調査に対して「ネット上でいじめを受けたことがある」と回答した男児は28%だったが、女児の場合は22%だった。
米国では、女児(57%)のほうが男児(52%)よりもオンラインゲームに参加している。オンラインショッピングについても女児のほうが熱心で、「オンラインで買い物をする」と答えた女児は30%だったのに対し、男児は24%だった。
また、「子どもに持たせているモバイル機器には、利用状況を管理できるアプリを入れて確認している」と回答した親は、全体の33%にすぎなかった。
報告書はこう締めくくっている。「モバイル機器は、デスクトップやノート型パソコンに代わって、子どもが初めて手にするデジタル機器になってきている。未成年の子どもたちは、スマートフォンのセキュリティに高い信頼を寄せているが、その安全性は低い。そのため、リスクはこれまでにないほど高まっている」