最も値上がりが激しいのは約19%急騰したソラナのトークンのSOLで、史上最高値の164.47ドルを記録した。ソラナは、イーサリアムと並んでここ最近ブームのNFTをサポートする暗号通貨として知られ、DeFi(分散型金融)に必要なスマートコントラクトにも利用されている。
他にも、リップルのXRPとチェーンリンクがそれぞれ約7%上昇したが、カルダノのADAとドージコインは、それぞれ約3%と1%下落した。ビットコインの価格はここ数週間、市場全体の動きを下回っていたが、6日に約2%上昇し、約4カ月ぶりに5万2000ドルを突破した。
ドバイに本社を構える投資顧問会社「DeVere Group(デヴィア・グループ)」のCEOのNigel Greenは、この背景に7日にエルサルバドルでビットコインが法定通貨としてデビューすることへの期待感があると述べている。
しかし、JPモルガンのマネージングディレクターのNikolaos Panigirtzoglouは、6日の顧客宛てメモで、個人投資家が8月上旬からアルトコインの価格を押し上げていると述べ、2大通貨として知られるビットコインとイーサリアムの市場シェアが、機関投資家の関心が薄れる中で、8月4日時点の約78%から現在は約67%にまで低下していることを指摘した。
Panigirtzoglouは、特にビットコインの市場シェアは、「違和感のある低さ」であり、今回の上昇が持続的なものではなく、「バブルと個人投資家の熱狂」によるものである可能性が高いと指摘した。
「8月のNFTのブームと分散型金融の活発化は、イーサリアムだけでなく、ソラナやバイナンスコイン、カルダノなど、スマートコントラクトを促進するアルトコインの上昇を引き起こした」と、Panigirtzoglouは述べた。
「前回の個人投資家の熱狂は1月初旬から5月中旬にかけて起こったが、彼らの熱狂が再びバブルを起こしている」と彼は指摘した。1月と5月の個人投資家の熱狂の後、暗号通貨市場はそれぞれ約13%と50%下落していた。
時価総額は5月のピーク時の2.5兆ドルに迫る
CoinMarketCapのデータによると、暗号通貨の時価総額は6日に約2%上昇して合計約2兆3000億ドル(約252兆円)となり、5月12日に2兆5000億ドル超のピークを記録して以来の水準となっている。
Panigirtzoglouによると、アルトコインの市場シェアは2018年1月に史上最高の55%に達したが、市場全体はその後の数カ月で85%以上の急落に襲われていた。
暗号通貨市場は、5月上旬に中国での規制強化を受けて約50%の暴落となったが、その後はNFTのブームや機関投資家の継続的な参入、インフレ懸念の高まりにより、回復基調にある。時価総額は、ピーク時の2兆5000億ドルには届いていないが、この1カ月で45%以上の急回復となっている。
クリプトヘッジファンドのニッケルデジタル(Nickel Digital)の調査によると、49%のマネーマネージャーたちが、機関投資家が今年初めて暗号通貨に目を向け、13年間で最も速いペースで進むインフレの脅威をヘッジしていると考えているという。