「ハーバード・ヘルス・ブログ」によれば、超加工食品とは、添加糖類、硬化脂肪、水素化でんぷんなどの食品から抽出した物質でつくられているが、塩、糖、脂質、合成着色料、保存料などの多くの材料が添加されている場合が多い。例としては、チップスなどの塩気の強いスナック、ファストフード、ホットドッグ、インスタント食品、袋入りのクッキーやケーキ、加糖ソーダなどがある。
一方、超加工食品ではない普通の加工食品は、一般に少数の材料からつくられており、缶詰の魚や果物や野菜、焼きたてのパンなどがこれにあたる。未加工または最低限加工した食品とは、生(なま)の食品や、最小限の改変しか加えられていない食品を指す。具体的には、生(なま)もしくは冷凍の果実や野菜、新鮮な肉や魚などだ。
摂取する食事のうち、超加工食品の占める割合が大きくなりすぎると、健康に影響が出るおそれがある。超加工食品の過剰な摂取は、糖尿病、肥満、一部のがんと結びついている。
「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(JAMA)」誌に掲載された新たな研究では、米国国民健康栄養調査の一環として、2歳から19歳までの全米の子どもと青少年を分析した。参加者にそれぞれの食物摂取状況を自己申告してもらい、幼い子どもについては親や保護者にかわりに回答してもらった。
加工の度合いは、必ずしも食品のヘルシーさと直接相関しているわけではないが、超加工食品は一般に、加工の少ない食品に比べると、健康面での利点が小さく、健康への害も大きい可能性がある。
論文の主著者で、マサチューセッツ州のタフツ大学栄養科学政策フリードマンスクールで栄養疫学を研究するFang Fang Zhang医学博士は、「一部の全粒粉パンや乳製品は超加工食品にあたるが、他の超加工食品よりもヘルシーだ。加工をすれば、食品の新鮮さが長持ちし、栄養価の強化や濃縮が可能になり、消費者の利便性も高まる。だが、超加工食品の多くはあまりヘルシーではない。未加工食品や最低限加工した食品と比べて、糖分や塩分が多く、食物繊維が少ない」と話している。
この研究では、超加工食品から摂取されたエネルギーの量が、1999年から2018年までのあいだに61.4%から67%に増加したことが明らかになった。同じ期間に、未加工もしくは最低限加工した食品から摂取されたエネルギー量は、28.8%から23.5%に減少した。
とはいえ、ひとつだけ明るい知見もある。加糖飲料から摂取されるカロリーのパーセンテージが、10.8%から5.3%と、半分以下に減少したのだ。
「子どもやティーンエイジャーにおける(超加工食品の)摂取量増加は懸念材料だ。しかし今回の知見では、加糖飲料の総摂取量を減らすための一致団結した取り組みが、ここ数年で効果をあげていることも示されている」とチャンは述べ、ケーキやクッキー、ドーナツ、ブラウニーなどの摂取量削減についても、同様の取り組みをおこなうべきだと付け加えた。