世界のオリンピック村の現在、「廃墟のまま放置」の事例も

2012年のロンドン大会で選手村として使われた建物(Getty Images)

2012年のロンドン大会で選手村として使われた建物(Getty Images)

オリンピックの開催都市は通常、アスリート専用のオリンピック村を建設し、数万人の選手たちを収容しているが、大会終了後の建物や土地は様々な用途に転用されている。

2012年のロンドン大会で選手村として使われた建物群は、レストランやショップに加え約3000戸のアパートメントで構成される「イースト・ビレッジ」に変貌し、2ベッドルームの住居が最も高額な場合100万ドル程度で販売されている。

2016年のリオデジャネイロのオリンピック村はその後、高級コンドミニアムに改築されたが、報道によると長年、空き家のまま放置されている。

1972年のミュンヘン大会で選手を収容したオリンピック村は、イスラエルの選手とコーチ11人がパレスチナのテロリスト集団「黒い9月」に人質に取られ、殺害された場所として知られている。この場所は、ミュンヘンで2番目に大きい大学の学生宿舎に生まれ変わろうとしている。

1996年に開催されたアトランタ大会の選手宿舎も、大会の終了後に学生宿舎に転用された。最初はジョージア州立大学に使用された後、2007年にジョージア工科大学に移管された。

2014年冬季五輪のソチ大会で選手が滞在した、黒海沿岸の保養地ソチの海辺の住宅の大半は、リゾート施設に転用されている。ソチ大会には総額500億ドル(約5.5兆円)以上の費用が注ぎ込まれ、史上最も高額なオリンピックの一つだったと報道されている。

2006年の冬季大会で使用されたトリノオリンピック村は、住宅地に転用される予定だったが長年の間、廃墟となっていた。その後、2016年にイタリアの移民プログラムが突然終了したのを受け、1000人以上のアフリカ系移民や難民がこの建造物を不法占拠して住み始めた。

東京五輪のために建設された選手宿舎は、大会終了後には住宅用マンションとして改装される予定だ。大会のウェブサイトによると、主催者は「多様な人々が交流し、快適に暮らせる新しいコミュニティ」を確立するための計画を練っているという。

編集=上田裕資

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