ファーウェイは、これまでアンダーディスプレイ型指紋センサーや、ワイヤレス逆充電システムの採用においても、競合らをリードした企業であり、真に革新的な企業と言える。それ故に、同社がロック解除についても全く新たな方法を検討するのは驚きではない。
ニュースサイトHuawei Centralの記事によると、ファーウェイの声紋認証の特許は2019年に出願され、先月公開されたものだという。同社はこの技術を採用したデバイスを発売するために、すでに十分な時間を注いでいるのかもしれない。
今回の特許資料は、デバイスにインストールされたボイスと、別のボイスを照合し、それらが一致した場合にのみロック解除を行うシステムについて記述されている。ファーウェイはこの技術をすでにワイヤレスイヤホンFreebuds 3に採用し、骨伝導で伝わるサウンドをAI(人工知能)で認識するために用いており、その利用範囲をスマホに拡大した模様だ。特許資料には、この認証メソッドがAIを利用したものであるとの記述がある。
声紋を用いた認証は、すでに銀行のアプリなどでの導入例があるが、スマホのロック解除に用いられた事例は確認されていない。声紋認証は特に、マスクを着用し手袋をしている冬場などに威力を発揮するものと考えられる。
しかし、公共の場所などでスマホのロック解除のために、キーフレーズを発音するのは、少し気後れしてしまう人も居るかもしれない。また、どの程度の速度で認証できるかも、重要なポイントになりそうだ。筆者は、ファーウェイが十分な認証速度を実現できない限り、この技術を実際に発売することにはならないと考えている。
ただし、重要な個人データを収めたスマホのロック解除に新たなメソッドが加わるのは、間違いなく有意義なことと言えるだろう。