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I cover retail, from fashion to grocery, and its dance with technology

Emilija Miljkovic / Shutterstock.com

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を受けてオンライン販売の成長に拍車が掛かり、食品や雑貨のデリバリーサービスの導入も急速に広がっている。メキシコ料理チェーンのチポトレ・メキシカン・グリルも、ネット販売額が四半期ベースで過去最高を記録した。その一方で、小売業界には今回のウイルス禍のあおりで勢いをそがれているトレンドもいくつか見受けられる。

マイバッグ:小売店ではプラスチック製の使い捨てレジ袋の使用禁止が大きな流れになっていたが、新型コロナウイルス対策の一環で導入を先延ばしにしたり、いったん禁止を解いたりする動きが相次いでいる。

米マサチューセッツ州では、食品雑貨店やドラッグストアでのプラスチック製レジ袋の使用禁止を解除し、マイバッグの利用を当面禁じたと伝えられる。店側に徴収を義務づけているプラスチック製レジ袋の使用料金も免除したという。

オハイオ州ベクスリー市でも、禁止にしていたプラスチック製レジ袋の使用を当面認め、マイバッグを使う場合は使用後に毎回消毒するように指示している。

使い捨て製品が選ばれているのは買い物袋だけではない。米日用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)によると、洗剤でも個包装されたタイプ、掃除用品でもペーパータオルの「バウンティ」やお掃除ワイパーの「スイッファー」など、使い捨てできる商品の人気が高まっているという。

セルフ型サービス:ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)が求められるなか、セルフレジが普及していく一方で、セルフ型の化粧品売り場などは大幅な手直しをしない限り、問題に直面することになりそうだ。同じことは、客が青果やパン菓子などをかごから取って買う仕方の買い物や、スターバックスやマクドナルドをはじめとする飲食店でのセルフサービスコーナーの利用にも言えるだろう。

ニューヨークのユニオンスクエアで開かれているグリーンマーケット(農産物直売所)では、品物は自分で触らず、店の人に取ってもらうよう求める張り紙が掲げられている。また、スーパーなどと同じように入場制限も導入している。

天然成分:米食品医薬品局(FDA)は昨年の研究で、抗菌石けんは普通の石けんと水よりも病気や感染のリスクを下げる効果が高いという主張には、十分な科学的証拠がないと指摘している。にもかかわらず、新型コロナウイルスをめぐって人々の間で膨れ上がった不安から、除菌シートの「クロロックス」や石けんの「ドーン」といった、抗菌効果をうたう商品が売れている。

多くの店舗では、抗菌を売り文句とする商品の棚が空になる一方、つい最近までより望ましいものとされていた天然成分の商品がその横にたくさん並んでいる光景がよく見られる。

大手消費財メーカー:消費者の買いだめ需要によって、多くの大手消費財メーカーは売り上げが伸びている。ティッシュペーパーの「クリネックス」やトイレットペーパー「スコット」などを手がける米キンバリー・クラークは直近四半期の既存事業売上高が前年同期比11%急増した。今回のパンデミックは既存の大手消費財企業を復調させ、新興勢よりも優位に立たせる可能性がある。

RBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、ニック・モディは、多くの大手消費財メーカーはスタートアップ勢にシェアを奪われた後、近年は反転攻勢に出ていたとしたうえで、今後、安心と親しみやすさを求め、新しいものにお金を浪費したくない消費者を引き寄せそうだと予想する。

モディは「消費者は大手ブランドに回帰している」とみており、規模の大きいブランドはサプライチェーンの面で在庫確保に有利だとも言及している。

編集=江戸伸禎

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