米国のネット犯罪 昨年の苦情数と損失額は2000年以降最高に

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米連邦捜査局(FBI)のインターネット犯罪苦情センター(IC3)は先日、2019年のインターネット犯罪に関する報告書を発表した。それによると同国では昨年、2000年にサイバー犯罪データの記録を始めて以来、苦情数と損失額がどちらも最高を記録した。

FBIでは2019年、米国で計46万7361件の苦情を記録している。1日にすると、平均約1300件だ。特に頻繁に見られるネット犯罪はフィッシング、未納・未配送詐欺、恐喝だ。インターネット犯罪に関する苦情は2000年以降、合計で488万3231件記録されている。

報告される犯罪の増加に合わせ、個人や企業の経済的損失が増えているのも意外ではない。FBIの報告書によると、2019年のネット犯罪による損失は35億ドル(約3700億円)で、2018年の損失額である約27億ドル(約2800億円)から増加している。2019年に特に大きな損失を出した苦情には、ビジネスメール詐欺(BEC)、恋愛関係や信頼関係の形成を通した詐欺行為、人や業者のアカウントのなりすましや模倣などがある。

IC3センター長のドナ・グレゴリーによると、FBIの方では2019年、新たな種類の詐欺の件数増加は見られなかったものの、犯罪者らは既存の詐欺行為を行うために新たな戦術や技術を活用していた。

グレゴリーは「犯罪者は非常に高度な手法を使うようになっている」とし、「被害者にとって、警告に気づき、本物と偽物を見分けることがますます難しくなっている」と述べた。インターネット犯罪は米国だけの問題ではなく、IC3は他国での苦情数データも発表している。米国に続き被害者数が最も多かったのは英国で、9万3796人だった。

翻訳・編集=出田静

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