スナップの四半期あたりの売上は前年同期比44%増の5億6100万ドル(約614億円)で、アナリスト予想の5億6300万ドルにわずかに届かなかった。純損失は2億4100万ドルに上昇した。
スナップの株価は昨年、売上とトラフィックの急拡大により、144%以上の上昇となっていた。同社は3年前の上場後の業績不振からようやく抜け出し、1年に渡る拡大期を迎えていたが、今回の決算で上昇トレンドの終わりが見えた形だ。
同社のコア事業であるスナップチャットのアプリは、リニューアル後の2018年に利用者を大きく減少させていた。しかし、2019年にAR(拡張現実)カメラフィルターを追加し、アンドロイドアプリに注力したことで、再びユーザーベースを拡大していた。
2019年第4四半期のスナップチャットのDAUは、前年同期比17%増の2億1800万人に達した。しかし、競合のフェイスブックやインスタグラム、TikTokらも、スナップチャットと類似した機能をアピールしている。
eMarketerの主任アナリストのDebra Aho Williamsonは「スナップの2019年度の売上は、当社の予想をわずかに上回っており、広告収入の伸びは、企業らが同社のプラットフォームの若いオーディエンスに魅力を感じていることを示している」と述べた。
しかし、堅調な広告収入の伸びを示せたとはいえ、スナップの売上が米国のデジタル広告市場に占める割合はごくわずかだ。eMarketerによると、米国のデジタル広告市場におけるスナップのシェアは0.7%で、米国のモバイル広告市場においては1%という。
同社はこれまで以上に過酷な競争環境にさらされているのが現実だ。主要ライバルのフェイスブックは先週の決算発表で、四半期あたり211億ドルの広告売上を報告した。さらに、ブルームバーグによると、フェイスブックがスナップチャットを模倣したインスタグラムの売上は、通年で200億ドル程度まで伸びているという。
「当社は確固たるコアビジネスを築いており、今後の成長と利益確保に自信を抱いている。2020年のさらなる事業拡大に向けて前進していく」とスナップ共同創業者のエヴァン・シュピーゲルは声明で述べた。