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2019.12.24

孫正義の成功と実績。ソフトバンク創業からWeWorkへの投資まで

フォーブスが2019年4月に発表した「日本長者番付」で、2位にランクインした孫正義。

18年には1位を獲得しており、保有資産は240億ドルにものぼるという。ソフトバンク創業者である彼の、成功と実績を振り返る。



ソフトバンク創業者・孫正義とは

孫は1957年生まれ。在日韓国人実業家の次男として、佐賀県の朝鮮人集落にて育った。日本マクドナルド創業者である藤田田の著書『ユダヤの商法』に影響を受け、高校生でありながら、毎日会社に通い詰め、藤田との面会に成功。

「コンピュータだけ勉強してらっしゃい」という藤田からの言葉を受け、カリフォルニア大学で、ネットワークコンピューティングを学んだ。

大学在籍時に発明した自動翻訳機をシャープに売り込み、1億円を手にした孫はソフトウェア会社である「Unison World」を設立。81年には、日本ソフトバンク(現 ソフトバンクグループ)を創業した。

ボーダフォン買収やiPhoneを日本で初めて販売するなど、ソフトバンクを大きく成長させることに成功した。

孫は東京・麻布の自宅の他に、港区白金台に地上4階、地下2階の豪邸を持つ。有名料亭の跡地910坪に建設費60億円をかけて建設したのだという。地下にはゴルフ練習場やボウリング場が併設されている。

ソフトバンク創業で成功を収めた理由

ソフトバンク成功の大きな要因は、2008年のiPhone日本独占販売だろう。孫はiPhoneが発表された15年より約2年前から、スティーブ・ジョブズに直接交渉をはじめていた。

その他、ビル・ゲイツと交渉し、マイクロソフトのパートナーとなったり、Yahoo!への出資やYahoo! Japanの立ち上げを実現させたり、孫の行動力と先見の明、そして交渉力がソフトバンク事業を大きく拡大させていった。

WeWorkへの投資で赤字

しかし、ソフトバンクは現在大きな危機を迎えている。19年7〜9月の連結決算は、7001億円の赤字。会見で孫は「今回の決算は真っ赤っかの大赤字」「ボロボロでございます」と語った。その大きな要因が、WeWorkへの多額投資だ。

WeWorkは順調に株式上場を目指していた矢先、上場のために開示された情報がずさんすぎるとメディアや投資家から批判を浴びた。続けて創業者のアダム・ニューマンの差別的な発言や行動も指摘された。

孫正義育英財団とは

孫は「未来を創る人材の支援」を目的に、16年12月に孫正義育英財団を設立。毎年選考によりメンバーが選出され、共同施設「Infinity」の利用や各業界の有識者による講演会等イベントへの参加、留学や研究費用の支援等を受けることができる。

19年現在の応募条件は、応募時点で25歳以下であること、国際レベルで優秀な成績を収めた実績を持ち、論文選考で優れた思考を発揮した人が選ばれるとされている。中には合格時7歳のメンバーもいる。

専用施設「Infinity」

孫正義育英財団が提供する「Infinity」は、渋谷の他にアメリカのボストン、パロアルトにもある共同施設だ。ワークエリアや無料の食事が用意されており、スーパーコンピューターや3Dプリンター、ドローン等最新テクノロジーに触れることができる。

若い才能への教育にも力を入れ、若手起業家にも投資を惜しまない孫。彼のサポートにより、今後どのような企業、起業家が生まれるのだろう。

文=齋藤優里花 写真=gettyimages

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