Lammがこのデータを発表したのは、先日ジャマイカで開催されたカンファレンスTechBeach Retreatの場だった。
「全体の30%に及ぶ仕事が、2030年までに消えてしまう危険にある。世間の人々の55%が、自動化などのイノベーションで、仕事を無くすことを危惧している」と彼女は話した。
一方で、前向きなデータもあるとLammは続けた。最新の調査によると、労働人口の74%が新たなスキルを身につけ、この状況に対応しようとしている。PwCは今後、需要が高まる分野として、下記の10の領域を挙げている。
・分析的思考に関わるイノベーション
・アクティブラーニングなどの学習メソッド
・創造性やオリジナリティ
・テクノロジーやデザイン、プログラミング
・クリティカルシンキングや分析
・複雑な課題処理
・社会的なインフルエンサー
・エモーショナル・インテリジェンス
・推論や課題解決のためのアイディエーション
・システム解析や評価
「AIやロボットでは、置き換え不可能な仕事がある」とLammは話した。さらに、良いニュースと言えるのが、準備を進める時間がまだ残されていることだ。
PwCが毎年発表するAIの普及予測レポートAI Predictionsによると、2020年に全社レベルでAIの導入を計画中の企業幹部は、わずか4%しか居ないという。この数値は、昨年は20%に及んでいた。
つまり、企業の従業員らには当初、予想されたよりも長い準備期間が残されていることになる。さらに、AIの本格的導入が始まっても、まだ希望はあるという。
「個々のタスクの自動化が進む一方で、人々が果たす役割も変化していく。現在の仕事がAIに置き換えられたとしても、人間は今より大きな責任を担うことになる」とLammは話した。