ただベイロによると、死亡事故が再び減少に転じている一方で、米国の高速道路では死者が出ない事故の数が近年増えていることを示す情報もある。この原因の一つとしては、運転支援機能に頼り過ぎる運転手がいることが考えられる。
どちらにせよ、交通事故による死者数の減少という歓迎すべきトレンドがこれからも継続するのかを見守り、この傾向と運転支援システムの普及の関係がさらに明らかになるのかどうかを見ていくと、面白い結果になるだろう。こうしたトレンドは、完全な自動運転車の導入スピードと規模に影響を与える可能性がある。
その理由はシンプルなものだ。自動運転車を導入すべきだとする大きな根拠の一つに安全性の劇的な改善があり、それと似た成果が人による運転を前提とした安全性技術の普及・高性能化によって得られるのであれば、自動運転車を実現する根拠が少し弱まる可能性があるからだ。
運転支援技術による安全性向上がもたらした小さな前進により、米国の消費者は自分で運転を続けることへの自信が強まるだろうか? それとも完全な自動運転車への移行を、より安心して受け入れられるようになるだろうか? 全米自動車協会(AAA)が先日行なった調査によると、現在の運転支援技術により、半自動運転車を信頼する運転手は68%増えている。