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2019.09.11

卒業生に「超富裕層」が多い大学、上位は米国がほぼ独占

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世界の多くの大学が、ノーベル賞やピューリッツァー賞の受賞者、または五輪出場選手の輩出など、在籍した学生たちの業績によって名声を築いてきた。

ただ、大学の名声と学問的に優れた能力について判断するためにはもう一つ、学生らの業績と同様に注目に値する基準がある。それは、「超富裕層(UHNW、保有資産3000万ドル、約32億円以上)」の卒業生の数だ。

米調査会社ウェルスX(Wealth-X)は先ごろ、「卒業生にUHNWが多い世界の大学ランキング」を発表した。このリストの公表は、今年で3度目となる。順位の決定にあたり、同社は世界の大学の卒業生のうち富裕層に含まれる人数と、それぞれの保有資産について調査。各大学の結果を比較した。

その結果、卒業生に富裕層が多かったのは、ほとんどが米国の大学であることが分かった。さらに、UHNWの卒業生が多かった上位10校のうち、9校は米国の大学が占めていた。

トップ10に入った大学の中で唯一、米国以外にあるのは、英国のケンブリッジ大学だった。卒業生のうち、UHNWは2645人。これらの人たちが保有する資産の合計額は、およそ3900億ドルだった。

ケンブリッジ大学に関する調査結果も目を見張るようなものではあるが、米国の一流大学、特にハーバード大学の結果をみれば、その影は薄くなる。ウェルスXによれば、ハーバード大学の卒業生のうち、UHNWは合計およそ1万3650人。彼らの保有資産は、合わせて約4兆8000億ドルに上っている。

ハーバード大学の右に出る者がいないことは、間違いない。卒業生に含まれるUHNWの数は、ランキングで2位のスタンフォード大学、3位のペンシルベニア大学(いずれも約5580人)の2倍以上だ。

ウェルスXによると、米国の大学を卒業した富裕層の大半は、自ら富を築いた人たちだ。例えば、ハーバード大卒のUHNWの79%が自ら財を成し、富裕層の1人となった。相続した資産を増やし、UHNW になった人は15%。受け継いだ遺産が財産の全てであるという人は、6%に過ぎなかった。

以下、卒業生に超富裕層が多い世界の大学トップ10を紹介する(数値は左から、UHNWの卒業生の推計人数と、推定資産の合計額)。

1位:ハーバード大学/米国/1万3650人/4兆7690億ドル
2位:スタンフォード大学/米国/5580人/2兆8990億ドル
3位:ペンシルベニア大学/米国/5575人/1兆7800億ドル
4位:コロンビア大学/米国/3925人/1兆5010億ドル
5位:ニューヨーク大学/米国/3380人/7120億ドル
6位:マサチューセッツ工科大学/米国/2785人/9900億ドル
7位:ケンブリッジ大学/英国/2760人/3900億ドル
8位:ノースウェスタン大学/米国/2725人/3890億ドル
9位:南カリフォルニア大学/米国/2645人/5480億ドル
10位:シカゴ大学/米国/2405人/7070億ドル

編集=木内涼子

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