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中国のバイトダンスの動画SNSアプリ「TikTok」に対し、各国の政府の厳しい目が向けられている。米国はバイトダンスに罰金を科し、インドはTikTokのダウンロード禁止措置をとった。

背景にはTikTokが子供らの情報を不正に入手していることや、不適切な投稿をシェアさせていることが指摘されている。英紙ガーディアンは7月2日、英国の情報コミッショナー事務局(ICO)のエリザベス・デナム事務局長が、「子供たちが利用するメッセージツールの調査を進める。これらのツールはオープンな状態で動画を共有させ、子供らの情報を収集している」と述べたと報じた。

デナム事務局長は今週、議員らに対し「当局はTikTokに対する調査を進めている。これは注視すべき状況だ」と述べた。

米連邦取引委員会(FTC)は今年2月、TikTokが13歳未満の子供の個人情報を違法に収集していた件に関し、FTCとの間で和解に合意したと発表した。和解条件としてTikTokはFTCに罰金570万ドル(約6億3000万円)を支払うことに同意したという。

FTCによるとTikTokは、13歳未満の割合が高いことを知りながら、個人情報を収集するだけでなく、プロフィールを公開状態にしていた。さらに、2016年10月までの期間、ユーザーの居所が把握可能な状態で放置していたという。これにより、TikTokは米国のCOPPA(児童オンラインプライバシー保護法)に違反していた。

TikTokの運営元のバイトダンスの企業価値は約750億ドルとされているが、同社は今、英国においてもGDPR(一般データ保護規則)に違反し、子供らの適切な情報管理を怠った罪に問われようとしている。

バイトダンスは以前から同様な問題を指摘されていた。今年4月にインド政府は、グーグルとアップルに対し、「TikTok」をアプリストアから削除するよう命じた。これは、ポルノなど子供に有害なコンテンツが拡散することを防ぐためだとされた。

TikTokは当時、インドで2億4000万回以上ダウンロードされており、MAU(月間アクティブユーザー)は1億2000万人に達していた。全世界のユーザー数が約5億人とされたTikTokにとって、インドは非常に重要な市場だった。

一方、英BBCの報道によると、TikTokでは大人たちが性的なメッセージを子供らに送信する行為が放置されているという。9歳の子供が投稿した動画に、おびただしい数の露骨なコメントがつくような状況が続いている。

TikTokは問題のあるコメントを発見次第、削除しているが、大半の投稿者のアカウントはそのままになっているという。

TikTokは15秒の短編動画のプラットフォームを「リアルな動画が、世間の規範を飛び越えてシェアできる場だ」と宣伝している。しかし、子供たちのオンライン空間での安全を守るためには、規範が必要だ。

バイトダンスは声明で「当社は規制当局の査察に協力するため、必要な情報を提供していく。TikTokはユーザーのデータの保護を最重要課題と考えている」と述べた。

GDPRに違反した場合、バイトダンスは最大で売上の4%に及ぶ、罰金の支払いを求められる可能性がある。

編集=上田裕資

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