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2019.06.29

ワインは安さより「持続可能性」で選択、米国など4カ国の傾向

Gettyimages

米コンサルティング会社、ワイン・インテリジェンス(WI)は先ごろ、ワインに関する消費者意識調査の結果を発表した。明らかになったのは、「持続可能性」に対する全般的な関心の高さだ。

WIはワイン消費に関する独自のオンライン調査「Vinitrac」に回答した米国の約2000人(ロサンゼルスで3つの消費者グループを対象に行った調査の回答者を含む)とカナダの2479人、スウェーデンと英国のそれぞれ約1000人から得た回答に基づき、データを分析した。

結果が示したのは、持続可能な方法で製造されたワインであることを証明する「認証制度」を、消費者が好意的に受け止めていることだ。特にミレニアル世代とZ世代の消費者は、価格が高くなっても、そうした方法で造られたワインを買いたいと考えている。

国別の調査結果

果調査に協力した消費者のうち、「持続可能な製法のワインを選ぶ」と答えた消費者は、米国の75%、カナダの70%、スウェーデンの76%、英国の63%だった。また、「オーガニック・ワインを選ぶ」と答えたのは、米国の70%、カナダの57%、スウェーデンと英国のそれぞれ68%、49%だった。

「バイオダイナミック農法で栽培されたブドウで造ったワインを選ぶ」人は、米国が58%、カナダが52%、スウェーデンが40%、英国が43%だった。米国ではその他の3カ国に比べ、「環境にやさしい」「フェアトレードである」ことを重視して選ぶという人の割合が高かった(74%)。

「カリフォルニア産」を信頼

米国人が「持続可能な製法」のワインと聞いてまず連想する産地は、カリフォルニア州だ。同州のワイン生産者で組織する「California Sustainable Winegrowing Alliance(CSWA、カリフォルニアの持続可能なワイン製造のための同盟)」によると、カリフォルニア州産のワインの85%は、持続可能性に関する認証プログラム「Certified California Sustainable Winery」に基づいて生産され、同州のブドウ畑のうち40%以上が、同様のプログラム「Certified California Sustainable Winegrowing」に基づき管理されている。

ミレニアル世代の影響

その他の分野と同様に、持続可能なワインの製造もまた、ミレニアル世代の影響を大きく受けている。調査ではこの世代の回答者の90%が、「値段が高くても持続可能な製法のワイン購入する」と答えた。

米国の消費者は、1瓶当たり平均3ドルまでなら、高くても持続可能な製法のワインを購入するという。

その他の傾向

調査ではその他、ワイン生産の持続可能性について消費者に関心を持ってもらうための効果的な方法が、ワイナリーの「ウェブサイト」や「テイスティングのイベント」であることが示された。

ワインに関する情報を得るのに好ましい方法としては、「ラベル」のほか「口コミ」を挙げる人が増加している。

消費者は、店舗では売り場が「視覚的に分かりやすい」ことを重視していることも分かった。また、購入を後押しするきっかけになるのは依然として「受賞」していることだが、「持続可能な製法である」との認証も、安心して購入できる理由になっているという。

編集=木内涼子

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