グーグルは5月7日、「Pixel 3A」を発表し、ミドルレンジ端末市場に再参入を果たした。同社は、かつてNexusブランドでPixel 3Aと似たカテゴリのスマホを展開していた。
Nexus製品はコストパフォーマンスが高く、ロイヤルなユーザーも多かった。今回発表された3Aの価格は399ドル(日本では4万8600円)で、Nexus 5の性能と低価格を引き継いでいるように見えるが、本当に買う価値があるのだろうか?
グーグル幹部は以前、3Aのカメラ性能はNexusと同等だと述べていたため、筆者は心配していたが、実際に使ってみるとかなり優れていることがわかり安心した。3Aの背面カメラは、現在市場に出回っているスマホで最高レベルのPixel 3と同じく、12.2 メガピクセル、絞り値 ƒ/1.8だ。前面カメラは8メガピクセル、絞り値f/2.0で、3に搭載されている広角カメラは省かれている。
背面カメラの画質は、一見しただけではハイエンド端末のカメラと見分けがつかない。カメラ機能も3と同じく夜景モードやポートレートモード、タイムラプス(静止画をつなぎ合わせて作るコマ送り動画)機能が搭載されている。
しかし、3Aは廉価版だけに、3に劣る点もある。まず、画像処理を強化する「Visual Core」が搭載されておらず、処理はCPUとGPUで行っている。
また、3のようにGoogleフォトに元画質の写真を無料で保存することはできず、高画質な写真のみを保存できる。Visual Coreが搭載されていないことはそれほど大きな問題ではないが、Pixel 2と3では元画質の写真の保存が無料なのに、3Aでは料金が発生することを敬遠する消費者は多いかもしれない。
購入時期には要注意グーグルは、Pixel 3を発表してから1ヶ月後に値下げを行い、ブラックフライデーとクリスマス休暇の直後にも値引いている。また、これら以外にも値下げを行ったことが指摘されている。
3Aと3A XLでも同様の値下げがあるかもしれない。米国のグーグルストアでは、既に3Aの購入者に100ドルのクレジットを付与しており、英国のグーグルストアでは、Pixel 3Aを購入すると「Nest Hub」が無料でもらえる。
グーグルは、古い端末をトレードインできるサービスも提供しており、Pixel 3Aシリーズを250ドルほど安く購入することができる。端末によってはさらに高い価格でトレードインできる可能性がある。例えば、サムスンの「S9+」であれば最大320ドルも値引きされるため、新端末が無料になる上、ストアクレジットが付与される。
ハイエンド端末と引き換えにミドルレンジ端末であるPixel 3Aシリーズを購入するのは理に適っていないが、最高水準のカメラを搭載したスマホを200ドル以下で手に入れることができるのであれば、検討に値するだろう。