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(Photo credit: Ginkgo Bioworks)

アグリテック(農業テクノロジー)分野の数少ないユニコーン企業からスピンオフした、新興のスタートアップ「Motif Ingredients」が、9000万ドル(約99億円)のシリーズA資金調達を実施した。

Motifの親会社は、2017年に評価額13億8000万ドル(約1530億円)で、2億7500万ドルを調達したGinkgo Bioworksだ。Ginkgoは合成DNA技術を活用し、独自の働きをする細胞を企業に提供し、新型の肥料や香水などの開発を支援している。

Motifは合成DNA技術を、ビールの醸造などに欠かせない酵母の開発に用いている。Motifの酵母はビール以外の様々な食品の製造を可能にし、牛肉そっくりな新型食品を生み出すこともできる。

近年は植物原料のみで製造したバーガーや、チーズに代わる食品が注目を集めているが、Motifが狙うのもこの市場だ。

人工肉分野ではビル・ゲイツらが資金を注ぐ、「インポッシブル・フーズ」が有名だ。インポッシブルが作り出す人工肉は、大豆や植物由来の原料のみで作られているが、味は肉にそっくりだ。


植物由来の原料でつくられた「インポッシブル・バーガー」(Photo by Phillip Faraone/Getty Images for WIRED25)

Ginkgoの共同創業者でCEOのJason Kellyによると、インポッシブルがこの味を実現したのは、遺伝子操作をした酵母菌が肉独特の風味を出す「ヘム」という物質を用いているからだという。ヘムは生成が難しく、インポッシブルも自社では製造できず、外部から調達している。

そこで期待が高まるのが、Motifのような酵母技術に特化したスタートアップなのだ。

「Motifは新たなインポッシブルを目指す訳ではない。人工肉の製造に必須の原料のサプライヤーとして、様々な企業に原料を提供していく。この市場では様々な企業が独自のブランドを立ち上げようとしているが、人口肉のコア技術を持つ企業はごくわずかだ」とKellyは話す。

Motifの出資には、ブレイクスルー・エナジー・ベンチャーや食品大手のLouis Dreyfus、Fonterra、Viking Global Investorsらが参加した。

2008年にMITの研究者らが設立した、Ginkgo Bioworksの共同創業者のTom Knightは、コンピュータサイエンス分野を経て、生物学者になった人物だ。Knightは合成DNA分野にプログラミングの手法を取り入れたことで知られている。

「我々はモバイルアプリを開発するようなアプローチで、新たな微生物を生み出している」とKellyは述べた。

MotifはGinkgo傘下の2社目のスタートアップだ。2017年にGinkgoはドイツのバイエルとともに、新型の肥料を生み出す企業Joyn Bioを設立していた。Joyn Bioは1億ドルの資金を、Viking Globalらが参加したシリーズAラウンドで調達していた。

Ginkgoは同社が成長するにつれ、他にも様々な企業をスピンアウトさせていく意向だ。「我が社のプラットフォームから、多様な業種のニーズに応える企業を送り出していきたい」とKellyは話した。

文=Chloe Sorvino, Alex Knapp 編集=上田裕資

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