Apptopia の推定によると、2016年7月にリリースされた「ポケモンGO」は、公開から811日で20億ドル超えを達成した。これはゲーム業界の最短記録ではないが、「クラッシュ・オブ・クラン」(768日)、「ゲーム・オブ・ウォー」(798日)に次ぐ歴代3位の記録となっている。
また、「クラッシュ・ロワイヤル」は887日、「キャンディークラッシュ」は1509日で売上20億ドルを達成していた。
ゲームのマネタイズの観点からみても、ポケモンGOの記録は興味深い。キャンディークラッシュはライフ回復アイテムが課金の主力であり、クラッシュ・ロワイヤルの場合は宝箱だ。ゲーム・オブ・ウォーやクラッシュ・オブ・クランは、待ち時間の短縮のために課金が発生する。つまり、これらのゲームは全て可能な限り多くの課金を発生させる仕組みをとっている。
一方で、ポケモンGOの場合は無課金で十分楽しめる構造になっており、アイテムストアはあるものの、売られているものの大半はゲームを続けるうえで必須のものではない。「ふかそうち」や「プレミアムレイドパス」などの課金アイテムが必要になる場合があるが、他のゲームと比べるとポケモンGOの課金は非常に緩やかだ。
ユーザーの大半が全く課金を行わないなかで、20億ドルという売上をポケモンGOが生み出せたのは、巨大なユーザーボリュームがあってのことだ。
Apptopiaのデータはもう一つ、ポケモンGOに関する興味深い事実を提示している。ポケモンGOの発祥の地である日本は、ダウンロード数では世界の上位5カ国の圏外だ。しかし、ポケモンGOの売上に日本が占める割合は30%以上で世界1位となっている。
それに対し、ナイアンティックが本拠を置く米国は、ダウンロード数の21%を占めているが、売上シェアでは27.5%で2位だ。日本はゲームの課金が盛んな国として知られるが、それが事実であることがここでも証明された。