さまざまなトレンドと同様、ヨガやマインドフルな瞑想といった古代の習慣は、多くの人により現代的・革新的な実践法が生み出され、新たな関心を集めてきた。
私は先日、コアパワー・ヨガ(CorePower Yoga)のエリック・クフェルCEOから、同社について学ぶ機会を得た。クフェルは、同社の理念について「激しい運動をヨガのマインドフルネスの中で行ったときに起きる、人生を変えるような出来事を世界に示すこと」と語った。米国内に180カ所のスタジオを持つ同社は現在、新しい人口層を対象とするべく事業を拡大中だ。その人口層とは、子供たちだ。
学校に関するストレスの変化
夏休みを終えた子どもたちが新学期を始める際に感じるストレスは、現代と昔とでは全く違う。成長の中で誰しも経験する普通のプレッシャーに加え、ネットいじめやソーシャルメディアによる影響、そして米国の子どもたちは次の銃乱射事件に巻き込まれるのではないかという恐怖に直面している。
何から始めればよいのかは難しい問題だが、パズルを解くピースの一つは思っているよりシンプルかもしれない。クフェルは健全な形で問題に対処する方法として、子どもたちが「ヨガなど自分に最も合う方法を探し、テクノロジーから離れ、呼吸し、現在を感じるようにする」ことを勧める。
「自分が恵まれていることに感謝する時間を持ち、自分のためになっていないものを手放す。そうすれば、驚くべき成果が得られるかもしれない」
大事なのは、子どもたちに電子機器から離れるよう促しつつ、自分がその手本となることだ。1日に何度も小休止を取るようにすると、最初は不思議な感覚がするかもしれないが、その努力に十分値する効果が得られる可能性がある。
ヨガと瞑想を教室に
教室と聞いて、落ち着いた状況を想像する人はおそらくいないだろう。だが、そんな混とんとした状況も、特定のプログラムによって制御できると考える人もいる。クフェルは「教室でヨガをすれば、体を動かし、心をリラックスさせる落ち着いた空間、毎日1回ゆったりとした時間を与えることができる。ヨガで鍛えるマインドフルな呼吸法、自分や他者への親切心、開かれた心と精神といったスキルは、子どもたちがストレスの多い時期に使うことができる一生涯のスキルとなる」
コアパワー・ヨガは、学校でのヨガ教育を推進する団体、ヨガ・フォスター(Yoga Foster)と協力し、より健全で幸せな教育環境を米国の学校で実現するため必要なツールを教育関係者に提供している。コアパワー・ヨガは寄付クラスを定期的に開き、マーケティング経路を活用することで、このプロジェクトを始動させるための資金や関心を集めることに成功した。そしてその努力が報われる兆しも見え始めている。
「子どもや教師からは、ヨガの後はより幸せで穏やかな気持ちとなり、集中力も増すため、学校の内外で成功しやすくなるとの話を聞いている」とクフェルは語る。「子どもたちがこうしたツールを家庭に持ち帰り、家族と共有することで波及効果が生まれている。また、ヨガとマインドフルネスの習慣は、大きなストレスを抱える教師の健康にも多大なメリットがある」