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NIO社の新モデル、「ES8」(Courtesy of NIO)

政府の奨励策や充電インフラの急速な拡大がバッテリー式電気自動車(BEV)のブームを引き起こした中国では、今年1~5月の間に前年同期比78%増となる約20万8000台のBEVが販売された(プラグインハイブリッド車:PHVを除く)。

米電気自動車(EV)メーカーのテスラはこれまで、自動車大手各社よりも早いペースでBEVの開発を進めたことにより、多大な恩恵を受けてきた。中国汽車工業協会によると、中国国内でのテスラの販売台数は昨年、世界全体での販売台数の14.4%を占める1万4833台に上った。また、テスラの年次決算報告書によれば、世界全体での売上高に占める中国市場での売上高の割合は昨年、17%に当たる約20億2700万ドル(約2250億円)となっている。

テスラに「有利な環境」は消失か

テスラの中国での販売が好調だった理由は、同社の「モデルX」「モデルS」と競合するEVがほとんどなかったことにある(「モデル3」は未発売)。だが、その有利な環境は、中国の新興EVメーカーNIOが6月28日、新モデル「ES8」の納車を開始したことによって失われたと言える。

中国でのEVの売れ筋はこれまで小型車だったが、高級車の間の競争も激しさを増しつつある。モデルXと直接競合するモデルであるクロスオーバーのES8は、驚くほどの低価格だ(44万8000元、約732万円)。一方で、十分な充電時間やモダンな内装とスタイリッシュな外観を兼ね備えている。テスラは先ごろ販売価格の引き上げを決定しており、モデルXは約92万7200元からとなっている。

ただ、テスラ車はES8に比べ、素晴らしい性能を備えている。特に「P100D」の航続距離は欧州の基準(NEDC:新欧州ドライビング・サイクル)で測定した場合、およそ540km。ES8は電池容量を70kWhとした場合、約355kmだ。

だが、それでもモデルXにはES8の2倍の値段を支払うだけの価値はあるだろうか?どちらも7人乗りで、最遠軸距はES8の方がわずかに長くなっている。

ES8の強み

ES8は、衝突防止補助システムを採用した先進運転支援システム(ADAS)を搭載。テスラとの提携解消後にインテル傘下に入ったモービルアイが開発した最新の画像処理チップ「EyeQ4」を初めて採用している。モービルアイによれば、EyeQ4は米国の自動車技術者協議会(SAE)が定める「自動運転レベル3」に対応可能だ。

中国はBEVの自動運転技術を試すのに最適な市場だ。それはアルファベット傘下のウェイモやゼネラルモーターズ傘下のクルーズ、ウーバーをはじめとする欧米のメーカーよりも、NIOなどの中国の自動車メーカーに、より大きな強みを与えている。

編集=木内涼子

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