今回の調達には「Partech Ventures」や「Digital Currency Group」も参加し、昨年のシード資金も含めると累計の調達額は900万ドル(約9.9億円)に達する。
Cambridgeはマサチューセッツ本拠の企業で、2015年に設立。同社は調達資金を用い今後2年でエンタープライズ向けソフトウェアを構築し、ID保護を行いつつKYC(顧客の本人確認)のコンプライアンス基準に沿ったサービス構築を目指していく。
Cambridge社の創業者兼CEOのMatthew Commonsは「調達資金により、企業向けのブロックチェーン基盤のIDソリューションを提供する企業として、業界をリードするポジションを築いていく」と宣言した。
Commonsは今年後半にCambridge社が、ルクセンブルグで60万人の利用者を抱えるサービスを始動することを目指している。同社は上場企業の「IHSマークイット」とも提携し、欧州の信用サービスプロバイダ「LuxTrust」ともパートナーシップを結んでいる。
Partech VenturesとDigital Currency Groupの2社が、Cambridge社のシードラウンドから参加していた一方、フォックスコンは今回のラウンドで新たに出資に参加することになる。
鴻海グループの名でも知られるフォックスコンは、アップルのiPhoneの製造受託メーカーの地位に留まらず、ブロックチェーン領域にも事業基盤を拡大しようとしている。
フォックスコンは昨年、中国のP2Pレンディングの「Dianrong(点融)」と共同で、中国初のブロックチェーンプラットフォームの「Chained Finance」をローンチしていた。
フォックスコンのベンチャー投資部門のJack Leeはフォーブスの取材に対し今後、フォックスコンがCambridge社のブロックチェーンのID管理テクノロジーを、複数のインターネットサービス及び、サプライチェーンのデータ管理に用いていく意向であると述べた。
同社の取り組みについては、今後さらに詳細が明かされるされる予定だという。