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Jonathan Weiss / shutterstock.com

世界最大のネット通販大手アマゾンが、米小売大手のターゲットを買収したらどうなるか? アマゾンはターゲットよりはるかに若い会社で、規模も10倍以上であることを考えると、あり得ないことに思えるかもしれない。だが、ターゲット買収によってアマゾンは大きな飛躍を遂げ、小売業界を一新するかもしれない。

アマゾンが、ターゲットやコールズ、ウォルマートなどの大手小売企業を買収するといううわさは、まことしやかにささやかれている。この動きが理にかなうと私が考える理由は次の3つだ。

1. 不動産

ターゲットは、都市部や郊外の重要拠点を中心として2000店舗近くを所有している。レイ・クロックがマクドナルドを創業したばかりの頃、自分のビジネスはハンバーガーではなく不動産業だと考えたのと同じように、ターゲットも不動産業に大きく関わっている。

アマゾンがターゲットを買収すれば、顧客との関係強化に使える貴重な小売スペースが大量に手に入る。ネット通販の枠を超え、ターゲットの既存店舗を通して顧客とのコミュニケーションを深め、返品を処理し、実店舗でしかできない体験を提供することができる。これらは全て、アマゾンブランドにとって大きな利点となる。

2. 食料品ビジネス

昔は必要なもの(特に食料品)を全てそろえるために複数の店舗で買い物をしなければいけなかった。しかし、ターゲットは顧客調査の結果、ミレニアル世代が一つの店で必要なものを全て購入したいと考えていることを知り、ミレニアル世代のみに特化した食料品ビジネスを先駆的に開始した。

ターゲットは衣料品・玩具・家庭用品のための販売エリアだけでなく、巨大な食料品エリアも備えている。アマゾンが、生鮮食品を配送するアマゾンフレッシュ拡大やホールフーズ・マーケットの買収を通し、食料品サービス業でのシェア拡大を目指しているのは明らかだ。ターゲット買収は同社が打つべき次の一手かもしれない。

3. プライベートブランド

ターゲットは、モッシモ(Mossimo)やキャット・アンド・ジャック(Cat and Jack)などのプライベートブランドを導入し、大きな成功を収めた。同社はデザイナーとタッグを組み、大手高級ブランドの流行をくみ取ったターゲット独自の商品ラインを開発している。

ターゲットのプライベートブランドは、同社の業績向上や新規顧客獲得に大きく貢献。自社ブランドをすでに展開しているアマゾンも、さらなる成長のためターゲットのブランドから学び、それを継承できるはずだ。

アマゾンのターゲット買収は確実に大きな出費を伴うが、同社の顧客層を広げる上で投資の価値はあるはずだ。ビジネスが実店舗販売からオンライン店舗へと移行するケースは多いが、アマゾンの場合はその逆だ。これまで同社は、ネット通販から実店舗へとビジネスを広げ、ネット以外の場所での体験を顧客に提供するようになった。

アマゾンは、既成概念を超えて新たなことに挑戦することで有名だ。そのため、この規模の合併はあり得ない話ではない。一つ確実に言えるのは、アマゾンの次の動きに顧客やメディアが飽きることは決してないということ。同社が世界一の小売業者である事実には、それなりの理由がある。

編集=遠藤宗生

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