調査会社モーニング・コンサルト(Morning Consult)による調査報告のタイトルはこうだった。「異性と二人きりでのビジネスミーティング、男女ともに不安との調査結果」
何だって? 男女が1対1で仕事上のミーティングをすることが不安ならば、一体どのような状況なら不安でないのか?
調査で明らかとなった主な点は以下の通り。
・男女ともに異性との1対1でのビジネスミーティングに不安を感じており、回答者の4分の1がそのようなミーティングは不適切だと答えた。
・回答者の約3分の2が、職場で異性と接するときは特に注意するべきと感じている。
・1対1の交流が許容できないと感じる傾向は、女性の方が男性よりもやや高かった。
当然ながら、異性への不信感の原動力となっているのは、セクハラの問題だ。調査では「女性側が持つセクハラを受けることへの恐怖と、男性側が持つセクハラを非難されることへの懸念によって、調査結果の一部を説明できる可能性が高い」と指摘している。
言いたいことは分かる。セクハラ問題は無視できないし、実際に起こることも確かにある。だが、調査結果が示すように、4人に1人もの割合の人が男女1対1のミーティングは不適切だと思うほど、セクハラはまん延しているのだろうか?
何てことだ。実際の数は分からないが、私は管理職としての25年間のキャリアの中で、女性との1対1のミーティングを1000回以上はしてきたが、その際にセクハラの加害者や被害者になってしまうという考えが頭に浮かんだことは一度もない。男女1対1のミーティングができなかったら、生産性に深刻な影響が出ていただろう。
単に私がナイーブで、現状に疎いだけなのかもしれない。世の中は、男女が互いを信用しないあまり1対1のミーティングが危険と思われるところまで進んで(「後退して」と言うべきか?)しまったのだろうか?
真実は分からないが、私はデータには信頼を置くタイプであり、これが今回の調査による結果なのだ。読者の皆さんはどう感じただろうか?