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2017.07.10

テスラ株下落でイーロン・マスク「2千億円」の資産を喪失 

Photo by Max Whittaker/Getty Images

今年4月、テスラの時価総額はゼネラルモーターズ(GM)を抜き、510億ドル(約5兆7000億円)を記録。米国で最も企業価値の高い自動車メーカーとなった。その翌月、イーロン・マスクは英紙ガーディアンの取材に応え「我々も予期していなかったレベルの時価総額に達している」と述べた。マスクの考えでは、当時の株価は合理的な水準を上回っていたという。

しかし、投資家らは耳を貸さず、テスラの株価はその後5週間で22%も上昇し、6月23日には史上最高値の383ドル半ばを記録した。しかし、予想された通り、株価はこの水準を維持できなくなったようだ。

売上の減速や新型車両のModel 3の利益率の低さに気づいた投資家らはテスラ株を売り浴びせ、株価は6月の最終週だけで17%も下落。7月7日時点では、5月12日の324ドル後半を下回る、313ドルで取り引きされている。

その結果、マスクの資産総額は7月に入って17億ドル(約1936億円)以上も下落。現在46歳のマスクの資産総額は150億ドル(約1.7兆円)と算定され、6月の最高値174億ドル(約1.9兆円)から大幅に減少したことが判明している。

マスクの資産の約3分の2をテスラの株式が占めており、フォーブスのリアルタイムビリオネアランキングでは現在、彼は世界で71番目に富裕な人物となっている。

テスラの時価総額はGM以下に


直近の株価の下落はあったが、昨年からマスクの資産額は莫大な伸びを記録しており、昨年10月と比べると彼の資産は30億ドル以上の上昇となっている。テスラはもはや米国で最も時価総額の高い自動車メーカーではないが(つい最近、GM以下の時価総額に沈んだ)、過去6ヶ月で36%の時価総額の伸びを記録している。

世界で最も博識の高い人物として知られるマスクは、自身が共同創業したソフトウェア企業Zip2を1999年、コンパックに3億ドル(約340億円)以上と言われる価格で売却し、最初の財産を築いた。その後、同じく共同創業者として名を連ねたPaypalを2002年、eBayに12億ドルで売却したことにより、さらに資産を増やした。

その後、2004年にテスラの経営に主要投資家として参画し2008年にCEOに就任。当時は世界的な金融危機の最中で、テスラは破産の危機に直面していた。

自動車業界以外では、マスクは人類を火星に送り込むことを目標とするSpaceXや、ロサンゼルスを地下トンネルで結ぶThe Boring Company等の野心的プロジェクトを手がけている。現状でこの2社は非上場企業として運営を続け、株式市場や投資家の思惑に振り回されない形で経営を行っている。

編集=上田裕資

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