ビジネス

2017.05.14

スタートアップ経営者が「2回目のチャレンジ」で失敗する時

Brian A Jackson / Shutterstock, Inc.

起業家が2度目の起業で陥りやすい過ちは何だろうか。質問サイトQuoraに寄せられたこの疑問にAI関連企業SafeGraphのCEOであるAuren Hoffmanが答えた。

初めての起業で成功したアントレプレナーの多くが2度目の起業で犯す過ちに挙げられるのが、参入分野を間違えることだ。自分のアドバンテージを生かせるエリアで起業するのではなく、広く社会的に評価されているような分野に手を出しがちなのだ。

起業する分野を間違える

環境に配慮したレストランや、プライベートジェット企業、ワイナリーやクリーンエネルギーなど、競合が多く自分が知見を持たない分野に参入して失敗するネット系企業の経営者は数多い。

2度目の起業でも成功した経営者の例に挙げられるのがBrian O’Kelleyだ。彼は初めての起業でオンライン広告オークションを運営するRight Mediaを立ち上げて軌道に乗せ、その経験を生かしてインターネット広告技術のAppNexusを立ち上げた。

有能な起業家は、市場の将来性を一足先に見出して、自分の強みや経験を生かせるエリアを選んで起業するものだ。

過去の経験に縛られる

時が経って業界が変化すれば、起業の戦略も変える必要がある。初めての起業で成功した経営者には、その経験を次の事業に過度に取り入れてしまう傾向がある。

1度目の起業が成功した理由や変えるべき点を明確に分析できていないのは失敗の元だ。業界の移り変わりを受け入れられず時代に取り残される場合もある。例えば最初の企業でうまくいった人材の採用方法が2回目もうまくいくとは限らない。1回目の起業で失敗した場合は、必要以上の方向転換をしようとしがちだ。

さらに、初めての起業を振り返る際は良い記憶ばかりがよみがえりがちだ。人材の採用で犯した失敗を覚えていなかったり、最初の5人のクライアントを獲得するまでの苦労をすっかり忘れていたりすることもある。

逆にベンチャーキャピタルとの苦い経験があるがために、すべてのVCを敬遠するという過ちも犯しかねない。

編集=上田裕資

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