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I write about the multi-leveled wine industry as well as wine history.

Kzenon / shutterstock.com

アメリカでは1968年から20年にわたり、いわゆるベビーブーマー世代の貢献によって1人当たりのワイン消費量がそれまでの2倍に増加した。今でもその世代は、米国内のワイン売上の約40%を占めているが、彼らの存在がワイン業界の今後に暗い影を落とす可能性がある。

世論調査会社ギャラップが2005年に実施した調査では、ワイン人気が初めてビール人気を上回ったという結果が示された。翌年の調査では再びビールがワインを抜いたが、それはあまり重要ではない。

08年までに米国内のワイン消費量は1968年の3倍に増加し、アメリカは世界で生産されるワインの8分の1を飲み干す“世界一のワイン消費国”となった――マイニンガーズ・ワインビジネス・インターナショナル誌の記事は、こう指摘している。ではなぜ、3月半ばに掲載されたこの記事に「アメリカのワインブームは終わったのか?」というタイトルがついているのだろうか。

2007/08年の金融危機が起こるまでは、アメリカは成長の大きな潜在的可能性を秘めた市場と考えられてきた。しかし、2016年11月にイギリスのワイン専門市場調査会社ワイン・インテリジェンス(Wine Intelligence)は調査報告を発表し、次のように指摘した。

「2つの評価結果が、米ワイン市場がピークに達した、または少なくとも成長が小休止状態となっている可能性を示唆している。この数年で1人当たりの平均消費量が減少していること、それに加えてほぼ毎日のペースで頻繁にワインを飲む人の数が減ったことだ」

食品・飲料専門の市場調査会社フルグラス・リサーチ(Full Glass Research)のクリスチャン・ミラーによれば、アメリカのワイン消費は2012年以降横ばい状態にある。「ときどきワインを飲む人々」の間では特に、だ。この情報とワイン・インテリジェンスの報告を合わせて考えると、確かに前述の記事のタイトルにも一理あるのかもしれない。

ベビーブーマー世代は米国内のワイン消費量の40%を占めているかもしれないが、彼らは高齢化しつつあり、今後は市場から姿を消していく。それは仕方のないことだ。

ワイン消費量の減少の原因は「ときどきワインを飲む人々」にある可能性がある。シリコンバレー銀行が2016年にワイン業界の現状について発表した報告書も同様の見解を示し、ミレニアル世代など若い世代が、業界の予想ほどワインに引きつけられていないと指摘した。若い世代はワインよりも、クラフトビールやクラフトスピリッツを好む傾向にあるのだ。

市場確保、拡大のために

だがいいニュースもある。ワインの売上が減少した一方で、米国内で販売されるワインのドル価値は2007年以降、25%上昇しているのだ。業界内で「プレミアム化」と呼ばれている現象で、消費者は以前ほど多くワインを購入していないが、購入する際には1本当たりにより高い金額を出す傾向にある。

アメリカのワイン生産者たちは今後、国内での市場シェア拡大に重点を置かざるを得ないだろう。だがそこでもまた別の問題がある。流通市場や小売市場の統合が進む現在の傾向は、主に複合企業にとって有益なものであり、中小規模の生産者は消費者に向けたマーケティングや販促活動に重点を置く方がチャンスが大きいかもしれない。

輸入ワインもまた、消費量の減少または横ばいの影響を受けている。これらのワインも、例えば主要都市や東西海岸地帯だけではなく、そのほかの地域でも積極的にマーケティング活動を行っていくなど、従来とは異なる売り込み方が必要になるかもしれない。

編集=森 美歩

 

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