マネージャーに信用されていないと感じている従業員は、自分の下した判断について悩んだり、先行きに不安を感じたり、転職を考えたりする。また、ストレスを感じやすくなり、信頼されていないことに対して怒りを感じることさえある。
しかし、高収入の従業員を筆頭に大半の労働者は、好意的な雇用主の下で安心して働いている。報酬情報サイトのペイスケールが発表した調査報告によれば、労働者の71%は、自分の判断についてマネージャーから十分に信頼されていると回答した。
この調査は、オンラインで不特定多数の人を対象に行った「報酬に関する調査」で得られた回答だ。調査は6月6日から9月26日の間に行われ、アメリカとカナダの5万4,000人以上の匿名の回答者を対象とした。
調査結果を掘り下げてみると、高収入な労働者ほど、自主的な判断について上司から信頼されているという実感があるようだ。
年収2万ドル(約227万円)未満の労働者のうち、雇用主から強い信頼を得ていると回答したのは全体の63%。報酬が高くなるにつれ、この割合も高くなり、年収16万ドル(約1,816万円)以上の労働者では85%がマネージャーからの信頼を感じていると回答した。
人種別にみると、同比率が最も高かったのは、白人の回答者で73%。その次がアメリカ先住民とアラスカ先住民(72%)、人種を明らかにしたくないと回答したグループは70%、黒人またはアフリカ系アメリカ人が68%、ヒスパニック系が64%という順となった。比率が最も低かったのはアジア系労働者の59%だった。
では、雇用主から信頼されていないと考えている人々はどうだろうか。ペイスケールの報告書によれば、そうした人々は転職を考えているという。
「上司の指導や助言なしには、自分に意思決定の権限が一切ない」と回答した労働者は、回答者全体のわずか1%。彼らの67%は、今後新たな仕事を探す可能性が高い。また、「一切の自主性を認められていない」と感じている労働者のうち、マネージャーと良好な関係にあると回答したのはわずか20%だった。49%は今の仕事に満足していないと回答した。
全体的に見れば、「自分がどれだけ信頼されているか」という従業員の実感度が、「マネージャーとの信頼関係」に対する評価に影響を与えている。
鶏が先か、卵が先かという話にはなるが、仕事についてより自由な決断ができる従業員の方が、上司と良好な関係にあると考えており、上司とのコミュニケーションについても良い感触を得ていると回答する傾向にあった。また、仕事について高く評価されている実感があるとも回答している。