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I look at the impact of mobile technology and online media.

同社初のAndroid掲載機種「BlackBery Priv」 (photo credit: BlackBerry.com)

BlackBerry Priv の発売がブラックベリーのファンや市場関係者から注目を集めている。

ブラックベリーは長年自社の
OSに取り組んできたが、Android搭載機種の発売はスマートフォン市場に食い込んでいく布石となるのか。同社は2016年に向けて様々な試みをおこなっている。

しかしブラックベリーのジョン・チェンCEOの目前には多くの試練が待ち受ける。ブラックベリーを取り巻く環境は財政的にも厳しく、コアユーザー以外に新たなユーザーを獲得するのに苦労している。以下に、2016年のブラックベリーの成功を左右するキーポイントを述べていく。

最初に取り組むべきは、スマートフォンの売り上げだ。もしブラックベリーがハードウェアを継続して生産するなら、赤字事業にしてはならない。チェンCEOはすでに公の場でスマートフォン事業は黒字化できなければ撤退やむなしと表明している。年500万台を売り上げてやっと、損益なしの状態になる計算だ。

BlackBery Privについて、売上数などを示すデータはまだ公表されていない。もし500万台の販売目標をかかげるBlackBerry Privが予想通りの素晴らしい売れ行きで推移していれば、売上に関するデータは早々と公開されているはずだ。もうそうなっていれば、Android搭載のBlackBerryの成功を知って人々は次々にBlackBerry Privを買い求めるシナリオが予想されたが、現実にそうなってはいないようだ。

「売り切れ」情報も入ってきたが、もともとの販売台数を意図的に低く抑えていれば「売り切れ」状態を作り出すのは容易だ。現時点で照会可能なデータからは、BlackBerry Privが目標とする500万台の販売台数に近づいているのか確認することができないが、ブラックベリーの四半期決済の報告書が公表されれば、実情が明らかになるだろう。

それではPriv2016年のスタンダードになれるだろうか?
実のところ、ブラックベリーはすでにハンデを抱えている。たとえばハードウェアの仕様だ。
BlackBerry Privを購入するのと同じ金額で、高品質のハンドセットを購入することができる。そのうえ競合他社がPrivより安い機器をすでに販売しておりブラックベリーが巻き返すのは至難の業だ。ブラックベリーがAndroidのハードウェアを自社の販売戦略にどのように位置づけ、消費者に浸透させることができるかが500万台の販売目標達成に向けて大きな鍵を握っている。

ブラックベリーはブランドイメージについても戦略が必要だ。BlackBerryというブランド名は、同社が過去の繁栄期から転落し、再びトップへ巻き返そうとしている一連の同社の歴史を思わせる古めかしい響きを与えていることを否めない。ブラックベリーが新たな顧客を獲得したいなら、そのようなイメージは不要だ。

実際、ブラックベリーには昔からのファンが多く、ファンはハンドセットが発売されるたびに大喜びで購入する。つまり、新商品を販売すれば固定ファンには確実に売れるのだが、それ以降が問題なのだ。ブラックベリーの商品を購入するのが待ちきれないという人がどれだけいるか。ブラックベリーを”cool”だと感じ自分で持ちたいという人がどれだけいるか。いかにしてブラックベリーが昔のように”cool”な存在へと復活できるか。ニッチな部分を攻めていくにしても、毎年少なくとも数百万台の売り上げが不可欠だが、ブラックベリーがいかに効果的な広告戦略を立てて新たなユーザーを開拓していけるかが重要となってくる。

最後に、ブラックベリーは機器以外の売り上げも改善する必要がある。この点に関しては、ブラックベリーは多様なソフトウェアを開発しており優位な立場にある。2016年に向けての戦略として、ソフトウェアの売り上げを維持するだけでなく、確実に成長させなければならない。無料のサービスが溢れるこのご時世で、一体どれほどの人々がブラックベリーにサービス料金を払い続けるだろうか。

ブラックベリーが新しい顧客をつかみ、周辺機器やサービスの販売によって売り上げを伸ばすことができるだろうか。新しい会社であればこれらはどれも重要なことだが、ブラックベリーには過去の栄光と現状の間にギャップがあり、そうした点からも同社にとっては一層大きなハードルが立ちはだかる。

ブラックベリーにとって最大の落とし穴は、新商品の投入で自己満足にひたってしまうことだ。Priv の発売はブラックベリーの「復活」と騒ぎ立てられ、多くの人からとりわけブラックベリーの長年のファン-からは「任務完了」ととらえられる傾向になるだろう。Priv の売り上げが成功をおさめたとしても、ブラックベリーはハングリー精神を持ち続け、成すべき事業に集中しなければならない。

チェンCEOがブラックベリーの限られた資本の投入先を決定すれば、2016年はその目標達成に向けて失敗の余地がない。スマートフォン事業は同社の重荷から脱却し、ハードウェア機器としてのブラックベリーのブランド価値を高めながら新しい世代に向けて新たなブランド価値を確立することが求められる。ソフトウェアサービス事業はスピード力をもって競合他社より上質のサービスを提供し、収益向上に貢献しなければならない。ブラックベリーにはいばらの道が待ち受けているが、それは実現不可能ということを意味しない。2016年のブラックベリーの動きに注目だ。

編集 = Forbes JAPAN編集部

 

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