Official Columnist

長野 慶太

ラスベガス発 U.S.A.スプリット通信

東京都出身。慶應義塾大学卒、米国ウォーデン大学院経営学博士。ラスベガスで対米進出コンサルティングを起業。作家としては「KAMIKAKUSHI 神隠し」で日経小説大賞受賞。近著に日本型カジノの近未来小説「巨象再建」(小学館文庫)など。

  • 連邦法の拡大で、ケネディ大統領の名演説が皮肉に聞こえる?

    ケネディ大統領が暗殺されたとき、「大統領を殺してはいけない」という法律はなかった。そんなものが必要なのかという声が聞こえてきそうだが、ちょっと待って欲しい。法律がなかったゆえに、犯人のオズワルドは、(生きていれば)事件のあったダラス、つまりテキサス州の裁判所で(普通の)殺人罪の裁判を受ける予定だった ...

  • 料理業界のジョブズが進める、チップご無用レストランのジレンマ

    シェフとしてではなく、サービスのカリスマとして、マンハッタンのレストラン業界を牽引してきたダニー・マイヤー、彼を知らないニューヨーカーはいない。マイヤーは大学で政治学を学び、無党派の大統領候補の選挙事務所で働いたのち、1984年、26歳の「周回遅れの見習い」として、ローマで料理修行を始めた。翌年、そ ...

  • アマゾンに「負けて、勝つ」 米百貨店コールズの奇策

    アマゾンの1人勝ちと言われてきた米国の小売業界で、去年のクリスマス商戦では消滅さえささやかれた大型小売店が、独自の努力で反撃に回ったと報じられている。いったいどんな事情があったのだろうか? ウォルマートは10年ぶりの増収率をマークしたし、ノードストローム(高級百貨店)やホームデポ(住宅資材)、ターゲ ...

  • タイガー・ウッズ5年ぶりの優勝はゴルフ業界を復活させるか?

    9月24日のウォール・ストリート・ジャーナルは、1面にタイガー・ウッズ優勝の瞬間の写真を載せた。いつもトーナメントの最終日に赤い勝負服で試合に臨んでいたウッズのガッツポーズが同紙のトップを飾ったのは、「ゴルフの神様」の復活を強く印象づけた。アメリカの一般メディアが、ゴルフの試合をこれほど大きく採り上 ...

  • 原作を書いて気づいた、ハリウッドのドラマが隆盛する理由

    長年の夢であった、ハリウッド進出の「打席」に立たせていただいた。東京で生まれ、30歳を過ぎるまで日本で生活した作家が、その後の20年強の米国生活を活かしてハリウッド作品の原作を書いた。日本を舞台にしたものだったから、それはそれでオリジナルなクールジャパンへの貢献となり、母国への恩返しになると自分でも ...

  • 女性役員を登用しなければ「罰金3000万円」、CA州法に賛否両論

    カリフォルニア州の下院議会は8月、役員に女性を登用しない上場企業には罰金を課する法律を41対21で可決した。 上院の審議を通ったので、 このあと、知事が署名をすれば、アメリカで初めての強制措置となるため、全米の注目が集まっている。公民権運動を機に、差別を一掃しようと努めてきたアメリカ社会だが、いまだ ...

  • 低金利時代の銀行を追い詰める「PEファンド」の脅威

    日本の銀行は厳しい時代を迎えている。超低金利で収益を圧迫され、しかも極端なカネ余り現象で融資先もなく、都市銀行を中心に大規模なリストラが計画され、生き残りのための合併も余儀なくされている。しかし、ここにさらに「強敵」が現れ、まずアメリカ市場で大暴れを始めた。プライベートエクイティファンド(PEファン ...

  • 米国旅行、4倍も安くなる頭のいいレンタカー選び

    アメリカ国内を複数都市めぐる計画を立てるとき、ほとんどの旅行者は飛行機代の安さに注目して、旅程を立てている。しかし、本当にスマートなのは、レンタカー料金に注目した計画だと主張したい。ウーバーやリフトなどのライドシェアの影響で、タクシーの売上が下降線をたどり続けているが、この影響は実はレンタカーにも出 ...

  • なぜシアトルで巨大企業が生まれるのか?

    アマゾン、マイクロソフト、スターバックス、コストコ。いずれもシアトル、あるいはその周辺の場所で創業し、いまや世界的な巨大企業に成長した会社である。アメリカ本土でもはずれの、西海岸のいちばん北端の都市で、なぜ、このように先進的な企業が次々と生まれるのか、つねづね不思議に思っていた。人口にしても60万人 ...

  • ハーバード大学はなぜ訴えられたか? 深刻さを増す米受験戦争

    日本ではいま、東京医科大学の不正入試問題が世の耳目を集めているが、アメリカでも、大学入試に関して、大きな話題となっている裁判がある。アジア系アメリカ人に対して、入試審査で偏見があるとしてハーバード大学が訴えられている係争が、いよいよ法廷審理に入ることになったのだ。これまで、さまざまな人種がハーバード ...

  • コストコvsアメックスの再来? 激化する米クレジットカード戦争

    いまアメリカでは、クレジット決済の手数料をめぐって、スーパーマーケットの巨大チェーン店とクレジットカード会社の攻防が激しさを増している。店側としては、手数料の減額に手をつけなければ、通販のアマゾンと価格競争ができないというところまできているという事情がある。ウォール・ストリート・ジャーナルは、ウォル ...

  • 顧客満足度最低、全米を席巻する「スピリット航空」に乗ってみた

    アメリカ連邦航空局(FAA)のルールで、すべての航空機は、「非常退避2分ルール」というものが適用される。満席でも2分で退避できるように搭乗員は訓練され、また機内のデザインや座席の配置も、それをクリアすることが求められる。逆に言えば、そのルールをクリアする限り、航空会社は機内にひとつでも多くの座席を置 ...

  • IR実施法案は成立したが、日本のカジノはすでに座礁寸前か?

    とうとうIR実施法案が成立し、日本にもカジノがつくられることとなった。ラスベガスのカジノ会社は、こぞって業務受託の意欲を示し、自社の経験とノウハウを誇示している。しかし、営業トークとは裏腹に、彼らは日本でIRが本当に成功するかどうかをシビアに考え、彼らサイドの参入条件のカードをどう切ろうか深く思慮し ...

  • 「訴訟ファンド」は正義の救済か、大金を賭けるルーレットか?

    「訴訟ファンド」というものをご存知だろうか。筆者は、この世界でこれほど賭博性の高い金融商品はないと考えている。大型訴訟の原告に投資をし、勝訴すれば利回り20%や30%の荒稼ぎができるものなのだが、敗訴すればマイナス利回りどころか、元本ごと吹き飛んでしまう。そのうち、日本にも上陸し、証券化され、一般市 ...

  • なぜセレブたちは人工の街ラスベガスに移住するのか?

    テニスのアンドレ・アガシとシュテフィ・グラフ夫妻、ボクシングのフロイド・メイウェザー・ジュニア、俳優のニコラス・ケイジ、歌手のセリーヌ・ディオンなど、ラスベガスに住むセレブリティは少なくない。もちろん、フランク・シナトラなど、この地のショービジネスに関わった人が居を求めるのはいわば当たり前だし、大リ ...

  • アマゾンのオンライン薬局買収で激化する個人データ取得合戦

    アマゾンがアメリカでオンラインの薬局を買った。アマゾンは多くの会社の買収を続けているため、そのすべてがいちいち報道されることはないのだが、今回はひさしぶりにインパクトが強く、各メディアとも重要なトピックとして報じている。買収することを発表したのはPillPackという、2013年に生まれたばかりの会 ...

  • ノート、受付嬢、お礼状 転職面接に勝つための3つのアイテム

    日本でも転職はごくあたりまえのこととなってきた。では、仮に転職をするとして、あなたは、その面接にどれくらいの自信があるだろうか? 転職の面接では、候補者は意外なところを見られている。それらによって、実は「勝率」はかなり左右されるのだ。アメリカでグローバル企業の幹部候補や管理職の採用面接を長年支援して ...

  • 職場で「部下をどこに座らせるか」はマネジメントの第一歩

    ラスベガスのあるコンサルティング会社の従業員が、クライアントへの請求を、個人会社からの請求に少しずつすり替え、売上金を横領していたのが発覚した。近々、提訴されることになるが、どうもこの社員、自分の個室のドアをよく閉めていたので、以前から周囲はおかしな気配を感じていたということだ。なにもこのような犯罪 ...

  • 最も高い確率で「投手・大谷選手」を現地観戦する方法

    このゴールデンウィークには、日本からかなり多くのファンが、エンゼルスの大谷翔平選手の試合を観戦するため現地の球場に駆けつけた。本拠地であるアナハイムのエンゼル・スタジアムはもちろんのこと、とくにイチロー選手との対決が注目されたマリナーズとの試合では、日本からシアトルへの航空便が普段の倍近い搭乗率を記 ...

  • トランプ政権の内部暴露本、発売前から全米ベストセラーに

    全米では、現地時間4月17日の火曜日に刊行される予定の本が、発売前から空前の大ベストセラーとなっていた。アマゾンのランクでもずっとダントツ第1位のままだ。ジェームズ・コミー前FBI長官の回顧録「A Higher Loyalty: Truth, Lies, and Leadership」(「より高き忠 ...