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2024.04.30 12:45

著名人なりすまし広告、4割の人がアクセス

GettyImages

AI技術の発達により、音声や映像を捏造することがたやすくなり、他人になりすまして詐欺行為を行ったり誹謗中傷を行うなど、社会問題化している。特に最近話題になっているのが、なりすまし広告だ。

FacebookやInstagramなどのSNSにおいて、著名人の名前や写真、映像を使って広告を掲載し、それを信じてアクセスした人に詐欺行為をするというもの。実際、筆者は趣味嗜好に合わないためか、著名人を使ったなりすまし広告には出会っていないものの、怪しい広告はよく見かける。

こうしたなりすまし広告に対して、Web広告の運用代行などを行っているオリジンが「なりすまし広告に関する意識調査」を行っている

それによると、なりすまし広告を見たことはあるととの問いに、65.6%人が「はい」と回答。なりすまし広告を著名人本人が出していると勘違いしてアクセスした人は、37.2%と4割近くに上っていることがわかった。


勘違いしてアクセスした人を年代別に見てみると、30代が頭一つ抜け出している。投資関係のなりすまし広告が多いため、お金を増やしたいと考えたり、著名人をよく知る世代が30代ということなのかもしれない。

なりすまし広告に利用された著名人に対してどのような印象を持つかとの問いには、「悪いと感じる」「どちらかと言えば悪いと感じる」を合わせて57.4%と6割近くに上った。

手に使われて、印象まで悪くするという、著名人にとっては踏んだり蹴ったりというなりすまし広告。詐欺広告を掲載しているMeta社は、16日に声明を出しているが、「審査チームには日本語や日本の文化的背景、ニュアンスを理解する人員を備えている」と言っているものの、日本人であればどう見ても明らかに詐欺だとわかる広告がそのまま掲載されているため、機能しているとはいい難い。政府もなりすまし詐欺広告に対して法的整備をしていくようだが、実際に施行されるのは先の話だし、いたちごっこにもなりかねない。これ以上詐欺に遭わなくするためにも、広告主だけでなく広告を掲載する側にも処罰を与えるなど、抜本的に見直す必要に迫られているかもしれない。

出典:オリジン「なりすまし広告に関する意識調査」より

文=飯島範久

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