海外

2023.06.26 09:00

米軍とも実証実験、ひざ関節の動きを支援する超軽量「ウェアラブルロボット」

対応力の強化に向けたデバイスとソフトの改良も進む

同社はフェーズ1のPOC(概念実証)から獲得した成果などを活かしながら、次段の商品化を目指してウェアラブルロボットの開発を加速させた。現在は米国軍や米国内の高齢者支援施設などに有志を募り、一歩踏み込んだ実証実験を展開している。

Roam Roboticsのホームページのイメージ。現在、米国軍も参加する実証実験が行われているRoam Roboticsのホームページのイメージ。現在、米国軍も参加する実証実験が行われている

実証実験からすでにフィードバックも得られているという。ハードウェアの面では米国軍関係者から「身体に装着するウェアラブルデバイスの強度をさらに高めてほしい」というリクエストがあった。これを受けて、プラスチック製のパーツをアルミニウムに置き換えたデバイスの試作を進めている。Park氏が会場に持ち込んだサンプルを手に持つことができたが、筆者が体験したプラスチック製のデバイスと変わらない軽さを実現していた。


プラスチック部分を軽量アルミに置き換えたデバイスも試作

介護施設ではシニアの階段昇降をサポートするための動作検証を行いながら、機械学習アルゴリズムのブラッシュアップも同時に進めている。「ユーザーが怪我を抱えていたり、歩き方などにクセがある場合には支援パターンを個人に合わせて最適化することも可能だ。また転倒防止など、身に着けるユーザーを怪我や事故から未然に防ぐためのアルゴリズム開発にも力を入れている」とPark氏は語る。

今後は1〜2年をかけて、想定されるユーザーの手元でプロトタイプによる実証実験などを積み重ねる。比較的動作がシンプルなひざの部位以外にも、足首やひじをサポートするウェアラブルロボットの開発も同時並行で進められているという。

Roam Roboticsによるウェアラブルロボットのような「パワーアシストスーツ」の開発、あるいは作業支援にヘルスケアなど関連するサービスの事業化は、いま国内外で多くの企業やスタートアップが注力する領域だ。同日のイベントに参加したRoam Roboticsも良い反響が得られたようだ。日本のパートナーと共創するビジネスが起ち上がることを期待したい。

連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
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編集=安井克至

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