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2023.04.27

第3回CSA賞受賞— 「究極の人材育成」ボーダレス・ジャパンの20代起業家輩出の仕組み

エン人材教育財団が実施する第3回CSA賞〜20代に薦めたい「次世代型人材」創出企業〜を受賞したボーダレス・ジャパン。若いうちから、自社社員に経営者として挑戦の場を与え、社会課題の解決と収益を両立させる仕組みの実現化に高い評価を得た。その独自の組織体制と育成方法、その背景にある思いについて、代表取締役社長を務める田口一成(以下、田口)に話を聞いた。


CSAとは「Career」「Select」「Ability」を掛け合わせた造語『CareerSelectAbility®』(キャリア自⼰選択⼒®)の略称だ。

「CSA」とは、様々な選択肢の中から自分が望む道を選べるほどの力のことをいうと、エン人材教育財団は定義している。CSAで唱える力とは、転じて、どんな環境に置かれても活躍できるだけの実力である。一般的に言われるEmployabilityは「雇用されうる力」という受動的な意味だが、CSAには「自らキャリアを選択する」という能動的な意味が込められている。
(詳しくは「次世代型人材戦略」のP17~21を参照ください)

その名を冠したCSA賞の選定基準は3つ。

1つ目は「20代人財輩出性」。若いうちからどこでも活躍できる人材を育て、その人材が社内で活躍していること。2つ目は「本業主観正義性」。業界や社会に対する独自の問題意識を持ち、その想いをかたちにしようとしていること。そして3つ目は「収益性」。一定以上の収益性を継続的に担保していることである。

ボーダレス・ジャパンは「20代人財輩出性」において、以下の3点が評価された。
(1)経営者として⾃分でプランを考えて実⾏しており、当事者意識を持って挑戦する機会が多いこと
(2)利益を出すのが難しいとされるソーシャルビジネスにおいて収益に対するこだわりがあり、⾵⼟として根付いていること
(3)他の事業を展開する仲間と助け合いながら切磋琢磨する⾵⼟があること

また「本業主観正義性」「収益性」においても高い評価を得た。

田口が生み出した、20代の若者がやりがいを持って事業にチャレンジできる環境と、ソーシャルビジネスにおいて利益を出し続けていく取り組みとは。

自社の若手社員を起業家に育て、支える独自のエコシステム

現在日本をはじめアジア、アフリカ、南米など14ヶ国・46のソーシャルビジネスを展開するボーダレス・ジャパン。世界中に存在する社会問題を解決するため、社会起業家を志す若手社員と共にプランを練り、収益を生み出す持続可能なビジネスを構築している。

たとえば、日雇い労働での少ない収入で生活をするエクアドル人家族の母親に副収入をもたらす「CREALBA S.A.S」、無国籍の子供が生まれる仕組みを断ち切る「アノテーションサポート」など。他にも、受刑者や難民、障害者の就労、メンタルヘルス、教育問題と事業は多岐にわたる。

同社では新規事業の立ち上げに対し、これまでの経験で培ったソーシャルビジネスの考え方・立ち上げ方の要諦を元に、田口をはじめとするメンバーが起業志望者と伴走。プランが整い次第、46社の代表が集まる「社長会」でプレゼンテーションを行う。そこで全員の賛同を得ることができれば事業開始となり、創業資金として最大1500万円を受け取ることができる。

このサポート体制を支えるシステムの一つであり、新しい起業家を生み出すために行っているのが「恩送り」のエコシステムだ。これは、46社の売上高に対する1%を、新たな事業のための共有財産とし、挑戦する起業家に創業資金を提供するもの。事業の売上を通して、恩を送る側へ。新たな起業家を支援し続ける循環型の仕組みが整っている。

ボーダレス・ジャパン 代表取締役社長 田口一成

ボーダレス・ジャパン 代表取締役社長 田口一成


「資金提供に対し『何年以内に上場を』などという締め付けや条件は一切ありません。私たちはこの恩送りの資金を『ペイシェント マネー』と呼んでいますが、起業家が辛抱強く社会問題にアプローチし続けられるように活用してもらいたい。例え事業が失敗に終わったとしても返金する必要もありません」

国内外で貧困や差別などの問題に直面しアクションを起こしたいと思っても、何から始めていいのかわからない、融資が受けられないなど、一人でできることに限りがある。しかし、創業資金調達やノウハウの伝授、サポートといったバックアップ体制が得られることで、志を持った若者たちは大きな一歩を踏み出すことができるのだ。

収益性にこだわった綿密なプラン設計

現在ボーダレス・ジャパンは東京と福岡にオフィスを持ち、従業員(グループ会社従業員含む)1471名、2022年度、第16期のグループ合計の売り上げは75億円。一度も赤字転落することはなく、順調に業績を伸ばしている。

「起業へ向けたプランニングの段階で、15%の営業利益を創出する計画書を作成します。そのためには付加価値の高い商品やサービス設計にしなくてはならない。検討に検討を重ね、収益可能なモデルで事業をスタートさせることで、盤石なローンチが可能になります」

だが、すべての事業が黒字化になるわけではない。田口はこれまで赤字事業に対し幾度となく資金提供を行なってきたが、こうしたサポートは起業家が自ら困難に立ち向かっていく機会を奪ってきたのかもしれないと、初回以降の資金提供について見直しを図った。

「最初の資金は提供しますが、その後の資金調達は起業家自身が銀行から借り入れをする、というルールに変更をしました。起業家として成長するためには、ギリギリまで追い詰められることも時には必要なこと。一旦事業がストップしてしまうことも重要なステップであると考えています」

ボーダレス・ジャパンは常に起業家にとって、そして事業にとっても良い方法は何かを模索し、起業家とともに成長を続けている。

若手起業家が独り立ちできる環境を提供

起業家を目指す若手社員には、いわば修業の場とも呼べるステージが用意されている。その期間は約1年。

「一つの事業を実際にコアメンバーとして運営してもらいます。メンバーは3名、CEOを1ヶ月ごとの交代制にすることで、決定権を持つ立場やサポートする立場の両方を経験することができる。また運営資金も自分たちで管理します。売り上げが減少すれば自分たちの給与分の負担が増す。意見の相違などといったハレーションが起きても、自分たちで解決し、前に進んでいかなければならない。こうした経験を得ることで起業へのイメージが湧き、経営について理解を深めていくことができます」

経営者としての責任や実行力などを学ぶことで、澄んでいた目に力が宿り、強い眼差しを持つ人材へと成長していく。この過程は単なる起業家としての素質を磨くためのものでなく、人間性をも育む貴重な体験として、彼ら、彼女らが成長していくための強い幹となっているのだ。

ノウハウと仕組みの展開で、より多くの社会問題を解決する

田口に今後の展望を尋ねると「ソーシャルビジネスの先行事例を作ること、そしてソリューションのノウハウやソーシャルビジネス立ち上げの仕組みを世界中に拡大することで、社会問題の解決が前進するスピードを上げていきたい」と語った。

「グァテマラで成功した事業のノウハウをエクアドルやフィリピン、カンボジアで導入したいと考えています。地域特性に合わせた調整は必要ですが、原型を基にさまざまな地域で展開できれば、多くの社会問題を解決していくことができる。そのために今後は、社会起業家だけでなく、現地で事業を行う人材を増やしていくことも考えています。新規事業という形であれば、自分で起業するよりもハードルが低く、挑戦しやすくなる。大事なことは社会問題に対してより多くの事業が立ち上がることです」

続けて田口は「今、ボーダレス・ジャパンの社会起業家プラットフォームとしてのスキームを、ミャンマーで現地の若者たちと立ち上げている。今後はこのスキームも世界中に展開していきたい」と話す。

「現在、日本で年間100社の立ち上げを目標にしていますが、すべての国にボーダレス・ジャパンの仕組み入れていくと、年間何千社が立ち上がってもおかしくない。その中で各国がソリューションを導入していけば、さらに社会がよくなるスピードが上がっていくと考えています」

解決したい社会問題に対するビジネスの拡大を最大の目的とするボーダレス・ジャパン。今後も日本から世界へ、社会問題をビジネスで解決する若い起業家が増えていくことに期待したい。


CSA賞HPはこちら


田口一成◎大学2年時に、発展途上国で栄養失調に苦しむ子どもの映像を見て「これぞ自分が人生をかける価値がある」と決意。25歳でボーダレス・ジャパンを創業。現在は「貧困問題」「環境問題」「障害者差別」「耕作放棄地問題」など社会問題を解決する46のソーシャルビジネスを世界14カ国で展開。著書「9割の社会問題はビジネスで解決できる」(PHP研究所)

Promoted by 一般財団法人 エン人材教育財団 / text by Rikako Ishizawa / photographs by Shunichi Oda / edit by Aya Ohtou (CRAING)

連載

次世代を担う若手人材育成の秘訣─CSA賞─

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