30U30

2022.09.10

津田裕大が「サプライチェーンの寸断防止」を仕事にした理由

津田裕大(Resilire代表取締役CEO)

日本発「世界を変える30歳未満」の30人を選出するプロジェクト「30 UNDER 30 JAPAN」。

テクノロジー&サイエンス部門で受賞した津田裕大(26)は、サプライチェーンリスク管理サービスを提供するResilireの代表を務める。2021年のローンチ以降、製薬会社や化学メーカーなど大手企業への導入を拡大。「誰も手を出さなかった難しい社会問題」の解決に挑む。


近年、サプライチェーンを取り巻く環境は、複雑化に加えて、自然災害やコロナ禍、地域紛争などによって不安定化が加速。企業では部品や原料の調達寸断が頻発し、製品供給が途絶える事態が生じている。

津田裕大が手がける「Resilire(レジリア)」は、サプライヤーの情報をクラウド上で可視化し、リスク発生時には影響が予測される調達先を自動で抽出。ユーザーは、迅速に被災状況を把握して、サプライチェーンの寸断による損害を抑えることができる。

「Resilireのようなサービスがこれまでなかったのは、複雑でわかりにくく、深く入り込まないと解決できない課題だから。こうした社会的には重要だけれども、誰もやりたがらない領域こそ自分が取り組む意味がある」と津田は話す。

その原点は高校時代のアルバイトだ。勤め先の居酒屋は厳しい労働環境だったが、退職者が相次ぐなか、諦めずにやり続けたことで津田は評価されるようになった。

当時、学校では周囲となじめず、自信がもてずにいた彼は、仕事を通じて「自分には生きる意味がある」と実感した。「仕事がいちばん楽しい」という津田にとって、起業は必然の選択だった。

キャリアの出発点では、Webコンサルティング会社でUI/UXデザインを経験。営業力を磨くべく入社した次の会社では、フルコミッションの飛び込み営業に自ら志願し、全国トップの成績を残した。

その後、法人向けのWebコンサルティングで起業。事業は軌道に乗ったが、2018年7月の西日本豪雨で被災し、これが後にサプライチェーンのリスク管理に取り組むきっかけになった。

Resilireは21年5月にローンチし、すでに大企業を中心に10社ほどの顧客を獲得。「誰も手を出さないような難しい社会課題の解決に挑み続けて、人類に大きなインパクトを残したと胸を張って言える人生を送りたい」と津田は胸を張る。

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つだ・ゆうだい◎1996年、兵庫県生まれ。Webコンサルティング会社、営業代行会社を経て法人向けWebコンサルティングで起業。2018年9月、Tech Design(現Resilire)を創業。
ニット¥68,200(へリル/にしのや☎︎03-6434-0983)Tシャツ¥11,000(テクネ/カナル☎️03ー6661ー6190)

文=堤美佳子 写真=帆足宗洋(AVGVST) スタイリング=堀口和貢

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