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2021.12.06

東京から世界に誇るユニコーンを。 新しい価値を生み出すスタートアップ支援

東京都はファンド出資事業で、中小企業への支援とともに、イノベーションの創出に向けて、起業初期段階のスタートアップに対する支援も行っている。その担当者である東京都産業労働局金融部の磯田篤岐と、運営事業者であるインキュベイトファンドの村田祐介が、現在のスタートアップ企業を取り巻く環境や変化、そして今後の展望について語りあった。


「ゼロイチ」を生み出す、東京のポテンシャル


――まず、東京都のスタートアップ出資の目的はどこにあるのでしょうか?

磯田:ずばり新しい産業創出です。シンガポールでは国の政策として、テマセクのように政府が投資会社を所有していますし、VCを設立すれば出資金を出して支援しています。ところが日本はまだまだVCが少ないのが現状です。例えばアメリカと比べると、GDPは4分の1なのにVCの投資金額は100分の1でしかありません。そこで東京都でも、グローバルなマーケットで通用する新しい企業や産業を育てるために、ここ数年、本格的にファンド事業を展開しているところです。

村田:シンガポールは、ちょうど東京都の人口と同じでサイズも23区とほぼ同じですね。

磯田:そうなんです。そういう意味ではいいお手本になると考えています。

村田:グローバルに見ても東京は非常に高いポテンシャルを秘めていると思います。東京の「人」と「情報」の集積は、シンガポールはもちろんニューヨークやパリなどと比べてもけっしてひけはとらない。ただ、足りないのが資金、そしてVCの数。ここを拡大していかないと世界との差は埋まらないと考えています。

磯田:ここ数年で増えてきたけど、残念ながら世界基準でみるとまだまだ少ない。そこを拡大すれば、次のフェーズに入れると思いますね。

――そこで「ゼロイチ」、つまりシードステージでの投資が重要になるでしょうか?

磯田:その通りです。行政にとっては既存の産業支援も重要な政策ですが、世界の中で日本経済の影響力が相対的に弱まる中で、グローバル市場で太刀打ちできる新しい企業の出現がなければ日本経済は浮上できないと思います。そのためにも起業準備や設立したばかりの企業に投資することで新しい分野を切り拓き、世界と戦える企業が生まれる土壌づくりに寄与したいと思っています。


東京都産業労働局金融部 磯田篤岐

村田:そうした東京都の考え方はよく理解できますし、「ゼロイチ」は当社がずっとこだわりを持ちながら投資をしてきたステージです。ですから今回の東京都のファンドの運営事業者として、将来、新しい分野を切り拓く可能性の高いスタートアップに投資をしています。

ビジネスモデルではなく、「人」に投資する


――では、ゼロイチに投資をするにあたりポイントになるものは何でしょうか

磯田:ベンチャーファンドの投資業務に携わった当初は、「ゼロイチ」には優れたビジネスモデルが不可欠と考えていたのですが、インキュベイトファンドと出会って、その概念が完全に覆されました(笑)。「ゼロイチ」とは、私がかつて実践していた金利やボラティリティの計算に基づく投資科学的なサイエンスの世界ではなく、アートの世界だということがよく理解できました。起業家の人間性、情熱、才能などに投資していくというスタンスは、まさにその人にしかできない匠の技ということを衝撃とともに知りました。

村田:当社のモットーは「志ある起業家の挑戦を、愚直に支え抜く」というもので、起業家の伴走者という自負があります。ですから、ビジネスモデルを基準にするということはありません。あくまでも「人」です。信念を持ってやり切れる人、この人でなければできない技術やスキルをもった方に投資をするとともに、伴走者として起業家と苦楽を共にしています。

磯田:投資をする人を選択する場合、何か指標となるものはあるのでしょうか?

村田:当社では、つねに世界のマーケットを注視しています。例えば、202X年にはこうなるだろうと仮説を立てます。その予測には技術の進化、海外のルール変化、地域の情勢など様々なファクターを組み込んで打ち立てるわけです。その結果、どんなニーズが生まれるのか、どの市場が急成長を遂げるのか、あるいは、どんなサービスがトレンドを迎えるのかということが、ある程度、可視化できるようになる。そしてその仮説に基づいて、将来、当該市場で戦える方に投資をします。その時の人の選び方も様々です。宇宙産業を例にとると、これからの宇宙産業が抱える課題を解決できる技術やノウハウを持っている人、あるは宇宙で起業をしたいと情熱をもっている方などです。たとえ起業志向のない方でも、その人が将来の産業形成に不可欠だと思えば、経営者になるよう粘り強く口説きます。そして伴走しながら共に立ち上げていくわけです。


インキュベイトファンド代表パートナー 村田祐介

磯田:なるほど、まさに経営者の発掘という、VC分野における「ゼロイチ」を実践しているわけですね。また、経営的な伴走者という意味では、「確度」と「覚悟」も求められる。そんなVCが傍にいてくれることは、経営者にとっては心強いですね。

東京から世界を変えるユニコーンを誕生させたい


――ここ数年のスタートアップ企業の動向をみると、今までになかった変化はあるのでしょうか?

村田:ダイバーシティが進み、これまでとは比較にならないほど多様なプレーヤーが起業しています。例えば、医師が医療業界を変えるためにICTを活用した新サービスを開始したり、サイエンティストや大手企業、外資系企業でグローバルビジネスの第一線で活躍していたエース級が退職して起業したり、またこれらに性別や国籍の多様化が加わってきており、これまではないケースが増えてきています。

磯田:確かにダイバーシティは、新しい創造のためには不可欠なものですね。性別や国籍などに関係なく新しい起業家がどんどん出くれば、東京は真の意味でのインターナショナルな都市になるのだと思います。

村田:そうですね。最近、東京は世界のVCや機関投資家から注目され始めています。それでは、なぜ、これまで海外投資家が日本のスタートアップに投資をしなかったのかというと単に情報がなかったからなんです。海外投資家にとって市場のサイズはあまり問題ではなく、現に日本よりも小さなマーケットの韓国のスタートアップにどんどん投資をしています。なぜ実現できているかというと、韓国のVCやスタートアップが海外投資家と積極的に交流しているという単純な理由に解があるのだと思います。そこで、当社の赤浦が会長を務める日本ベンチャーキャピタル協会(JVCA)でも、国内VCと海外機関投資家との接点をもつ場を用意し、日本のスタートアップ事情を伝えることで大いに注目されています。国内だけでなく海外投資家が投資することで、今よりも資金調達がしやすい環境になるはずです。同時の日本のVCもスタートアップも10年前とは比べものならないぐらい変化して、グローバルに通用できるまで成長しています。

磯田:東京都としても、海外からの投資がより増えるようJVCAと連携しながら取り組んでいきたいですね。そして20世紀のソニー、ホンダなどのように、東京から21世紀を代表するようなユニコーンが出現することを期待しています。

村田:今、アメリカの経済をけん引しているのはGAFAMとテスラ。日本でも1社でも突き抜けたスタートアップが出てくれれば、それに引きずられように後に続くスタートアップが出てきて局面は変わるはず。そのためにも新たな価値を生む「ゼロイチ」を支援していきたいと思います。

磯田:楽しみにしています。そして東京都から世界に羽ばたくユニコーンが登場し、世界の起業家が東京を選ぶようになる。そんな未来にしていきたいですね。


村田祐介◎インキュベイトファンド代表パートナー。ネット系スタートアップの投資業務及びファンド組成管理業務に従事した後、2010年にインキュベイトファンド設立、代表パートナー就任。2015年より一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会企画部長を兼務。その他ファンドエコシステム委員会委員長やLPリレーション部会部会長等を歴任。Forbes Japan「JAPAN’s MIDAS LIST(日本で最も影響力のあるベンチャー投資家ランキングBEST10)」2017年第1位受賞。

磯田篤岐◎東京都産業労働局金融部。上智大学卒業。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)、中小企業診断士。投資銀行や政府系官民ファンドにて、20年以上、証券化商品やオルタナティブファンドの組成、投資業務に従事。現在は、東京都庁にて国内のベンチャーファンド、プライベートエクイティファンドへの出資業務に従事。

Promoted by 東京都 / text by Tetsuji Hirosawa / photographs by Toru Hiraiwa / edit by Hirotaka Imai

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東京都発「ゼロイチ」を生むスタートアップ

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