世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版

写真左:◎JMAC(日本能率協会コン サルティング)デジタルイノベーショ ン事業本部本部長 毛利大。右:同社 取締役兼生産コン サルティング事業本部本部長 石田秀夫

コロナ禍以前からデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する製造業は、グローバルの競争や労働力不足など、未だ多くの課題を抱える。「スマートファクトリー」の導入で日本のものづくりを実直に支援する日本能率協会コンサルティング(JMAC)の存在が注目されている。


ものづくり専門コンサルタントが伴走する、目指すべきスマートファクトリー

JMACのDX推進担当役員で生産コンサルティング事業部長を兼務する石田秀夫は、日本が置かれているものづくりの現状について、必ずしもすべての企業の生産性が落ちているわけではない、と語る。「業界をけん引するトップランナーはいるので、求められる変化に対応できなかった企業の生産性が落ちている、ということでしょう。それらの企業の変化を後押しし生産性の底上げをすることが必要なのです。アフターコロナを見据え、必要な変化を遂げる手段として、DX、スマートファクトリーはとても有効だと思います」

スマートファクトリーでは、オペレーションの効率化、QCD(品質・コスト・納期)の向上などに目が向けられがちだが、本来は、いままでアナログで行われてきた情報そのものをデジタル化し、事業の拡大や新しいビジネスへつなげることに意味がある。だからこそ、企業ごとに置かれた状況や強みによってスマート化の戦略は異なる。自社の強みをどう生かすか、どこの事業領域でどういうものづくりを強めていくか。スマートファクトリーの導入にあたってまず必要なのは、そういった具体的なビジョンなのだ。

JMACは、そのビジョン設定から導入・運用のサポートに至るまで、徹底的に顧客に寄り添う。企業の抱える課題解決に実直に伴走していくスタイルが特徴だ。導入後に必要となる「人の力」の領域までサポートする。


革新的、先進的な支援活動や実践理論の研究を行い、組織・人材の能力や活力を引き出している実践者を表彰する「全能連マネジメント・アワード」。JMACのシニア・コンサルタントである毛利大が「スマートファクトリーの実践」の内容で、2020年度大賞を受賞している。

「自社に最も適したスマートファクトリーの構築には『先進技術で何ができるか』ではなく『何が解決できれば経営的インパクトが得られるのか』を考えることが重要。社長ばかりでなく各マネジャー層それぞれに経営的課題があると考えます。各層の普段からの問題意識が最も大切。デジタルはそれを解決する道具でしかありません。一方、ある程度のデジタル的なリテラシーがなければ、物理的に進まないという側面もあります。全社のデジタルリテラシーをどの階層にどのレベルで備える必要があるのかを戦略的に見定めるのは、スマートファクトリー化を進めるに当たっての大きなテーマであると考えています」(毛利)

答えは一つではない。自社に最適なスマートファクトリーを導く新プログラム

JMACが提案するのは、会社のポリシーや業界内のポジションなど、各社の置かれた環境に合わせたスマートファクトリーだ。QCDのレベルや市場への付加価値提供を実現できる、自社にとってベストなスマートファクトリーをデザインし、さらに従業員一人一人の意識改革や組織の役割変革を促す。

ベストな姿を導き出すために開発されたのが「TAKUETSU-PLANT」だ。目標となる姿を32のテンプレートに整理し、顧客との対話のなかでテンプレートを組み合わせながら、最適なシナリオを構築する。32のテンプレートは、さらにそれぞれ、5つのレベルに分解されている。自社のいまの位置づけと目指すべき方向がより具体的になる工夫だ。そこに、JMACの他社での経験などを肉付けしてサポートしながら、一緒にビジョンを描いていく。

レベルの一つひとつには、実現のために想定されるデジタルツールのイメージがひも付けされている。ツールを開発するベンダーとは、「IoT7つ道具の認定制度」などを通じて、ネットワークを構築しており、顧客の必要とするデジタルツールとベンダーをつなげる仕組みもある。

「プロジェクトは経営層から、課長層、現場の人たちまで、いろいろな職域の方と一緒に進めます。だからこそ、その企業にいちばん合うものが出来上がる。自分たちのつくった戦略、自分たちの考えたグランドデザインのスマートファクトリーは、働く人のモチベーションにもつながるのです」(石田)

 
取締役兼生産コン サルティング事業本部本部長 石田秀夫

非効率に見えるスタイルが日本型ものづくり復権の鍵になる

個々の企業の事情に合わせるJMACのスタイルは、ビジネスとしては決して効率がよいとはいえない。提供するサービスのネーミングセンスも、スマートというより、日本風で率直だ。しかし、いかにも日本らしい、その愚直なほどに真摯に寄り添う姿勢こそ、顧客から信頼を集めるゆえんでもある。我々はスポーツでいえばヒッティングパートナー、と石田は言う。顧客に寄り添い、共に悩みながら伴走することで、顧客側にも戦略的発想が生まれ、次の競争力を得る力を鍛えていく。その先にあるのは、ものづくり大国・日本の復権だ。

「日本の得意な、マスカスタマイゼーションのようなややこしいものづくりを、デジタルを使っていかに新しい価値につなげるか。それができれば、ものづくりの復権は可能です。DXやスマートファクトリーは、言うなれば二律背反を解決していくということ。それができる企業が、次の競争力を得ることができる。背反のブレイクスルーこそ知恵の出しどころなのかなと思っています」(石田)

「製造現場で当たり前の様にデジタルツールを使って活躍する人材を育成すること、工場全体を見据えて新しい生産システムを一緒に考えていくパートナーになること、いずれも我々の大きな役割だと思っています。これからはいろいろなことがデジタル化され、サービスの内容や業態そのものも大きく変容していくでしょう。日本の企業がその流れにうまくのれるよう、先導役になれたらと思っています」(毛利)

 
デジタルイノベーショ ン事業本部本部長 毛利大

石田秀夫◎JMAC(日本能率協会コンサルティング)取締役兼生産コンサルティング事業本部本部長。生産部門および開発設計部門のシームレスな収益改善・体質改善活動を主に企業支援を行う。

毛利大◎JMAC(日本能率協会コンサルティング)デジタルイノベーション事業本部本部長。主な専門領域は製造業における生産システムのトータル改善。スマートファクトリー構築等新工場建設プロジェクトを支援

日本能率協会コンサルティング
https://www.jmac.co.jp

Promoted by JMAC / text by Kyoko Kanzaki / photographs by Masaki Tomita / edit by Hirotaka Imai

DXで日本の"ものづくり"を再生せよ
VOL.5

【ルポ】「モノタメ」を止めるな! 大阪・八尾...

VOL.1

DX化に勝機アリ──異色のギルド集団が描く、「...

あなたにおすすめ