Close RECOMMEND

.

Nipitphon Na Chiangmai / EyeEm / Getty Images

私たちは日々、電子メールやテキストメッセージ、ソーシャルメディアから大量の情報を受け取っている。画像加工技術や、真実を語らない政治家の存在により、何を信じればよいか分からなくなってしまうことも多い。そうした中で、「フェイクニュース」という言葉の登場により、人は自分が読んだり見たりしたニュースについて、たとえそれが実際には信頼性あるものであったとしても、懐疑的な目を向けるようになった。

しかし、そんなフェイクニュースにも利点があるかもしれないという研究結果が、心理学誌サイコロジカル・サイエンスで発表された。人は偽りの情報、つまりフェイクニュースに遭遇したときについて思い返すことで、脳が事実に即した記憶を思い出す能力を鍛えられるかもしれないのだという。つまり、過去の誤った情報について思い出すことで、誤情報を真実として覚えることを予防でき、さらには実際の出来事や情報をよりきちんと記憶できるようになる、というのだ。

ノースカロライナ大学グリーンズボロ校の研究チームは、96人を対象に2つの実験を行った。参加者らは、ニュースサイトから集められた、事実に基づいた文章と誤情報を読んだ後、その誤情報を訂正する文章を読んだ。訂正文には、問題の情報を誤情報であると明記した上で繰り返したものと、そうした説明がないものの2種類が用意された。参加者らはその後、事実は何だったかを思い出した上で、その情報を自分が信じているかどうか、訂正文と誤情報を思い出せたかどうかを回答した。

結果、誤情報が繰り返された訂正文を読んだ人は、訂正内容に関する記憶が向上し、より正しい内容を信じるようになることが示された。研究チームは「過去にフェイクニュースを聞いたときのことについて人に思い出させることで、誤情報を修正する事実についての記憶や確信を改善できる」と指摘。「これは、矛盾する情報を指摘することにより真実の理解を向上させられる場合もあることを示唆している」と述べている。

編集=遠藤宗生

PICK UP

あなたにおすすめ