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2018.12.21 11:00

渋谷が世界的なクリエイター天国へ。ソニーと立ち上げたプロジェクト「 #SCRAMBLE 」とは

左・金山淳吾氏、右・森繁樹氏

左・金山淳吾氏、右・森繁樹氏

街を、エンタテインメントの実験場に──。

クリエイターを孵化させる街づくりを目指す東京都渋谷区が、官民一体の創造実験ラボ「#SCRAMBLE」をスタートした。この取り組みに、企業として初めて参画したのはソニーだ。自社のテクノロジーを積極的に開放し、クリエイターとのタッグで新しい価値を生み出そうとしている。言わば、途上のテクノロジーをプロトタイピングによって体験可能な形にすることで渋谷の街に開放し、体験者のフィードバックを次なるクリエイションにつなげていく「クリエイター育成事業」である。

しかし、自社のテクノロジーを開放することにためらいはなかったのだろうか。仕掛け人であるソニー株式会社ブランド戦略部の森繁樹統括部長、渋谷区観光協会の金山淳吾理事長の対談から、テクノロジーカンパニーが果たすべき次世代の使命が見えてくる。



世の中を良くするロールモデルを生みたい

金山 僕は1978年生まれで、ファッションアイテムの延長線上に、ライフスタイルを変えていくためのツールとして「ウォークマン®」のような草分けのテクノロジーデバイスが登場したのを目にした世代です。大人になった自分たちが、この渋谷から新しいライフスタイルを発信していくことを考えたときにも、スニーカーやTシャツと並列にあるものはデジタルテクノロジーが詰まったデバイスなんじゃないかと思いました。そういった何か新しいノイズを生もうとしたとき、最初に頭に浮かんだのはソニーさんと組むことだったんです。

 たしかに今回はソニーとしてもライフスタイルをもっと豊かなものに、そこから発展して文化を形成していきたいという思いが強いです。ソニーが創る多くのエンタテインメント系デバイスは生活必需品ではありませんが、人間の心が豊かになるためにあるべき感動を生むことを、常に目指しています。その思いが下敷きにあり、#SCRAMBLEを始めとした取り組みや事業が生まれていると思っています。


実際には存在しないバーチャルなパックをあたかも打っているような新感覚のARホッケーゲーム「A(i)R Hockey(エーアール ホッケー)」

 
壁やテーブルなど、どこにでも滑らかに描くことができる未来のデジタルペン「Doodle Pen(ドゥードゥル ペン)」

金山 #SCRAMBLEでの取り組みのように、使い方も定まっていないような研究開発のものを街で見せることで「自分たちだったらこんなふうに使える」という実験の場ができると、「ソニーとこの街が生んだ新しい生活様式」になるのではないかと考えました。能動的に一緒にライフスタイルや社会を創っていけることが、世の中を良くするロールモデルに成りうるのではないか……という思想に共感していただいた形でしたね。

 そうですね。僕らは2017年のSXSW(編集注:South by Southwestの略称。サウス・バイ・サウスウェストは、毎年3月にアメリカのオースティンで行なわれる大規模イベント。1987年の音楽祭を出自とし、現在は音楽祭、映画祭、多数のテクノロジーが集うフェスティバルなどが同時並行で開催されている)から研究開発段階のテクノロジーを見せて、「何かを問う」というトライアルをしてきました。#SCRAMBLEも、その流れの中にあるともいえます。

金山 僕も2017年のSXSWを視察して、これほどのカオティックなフェスティバルから新しいひらめきや発見が生まれ、同じような環境を渋谷で作る構想を抱いていたんです。渋谷に遊園地は作れなくても、新しい街の楽しみ方なら作れるはずだと。

2018年3月、アメリカ・テキサス州オースティンで開催された「SXSW 2018」に出展したソニーブース「WOW Studio」


2018年11月、渋谷でソニーの最新テクノロジーや研究開発段階のプロジェクトを体感するイベント「WOW Studio」を開催

 金山さんはじめ、渋谷区の方々が#SCRAMBLEのコンセプトを立ち上げた時に、「まさにこれだ!」という形でイメージが合ったんです。それは、お互いにSXSWから得た目標が非常に近く、同じ方向だったからでしょうね。私にとってSXSWは「問いを発する」という場所なのが非常に気持ちよかったんです。

たとえば、新商品発表会などは完成品を披露することがゴール、言わば「答えを提示する」場所です。そのためには完成度を高めることや周到な準備が必要になります。それに対してSXSWは、準備はもちろん大変ですし決して気楽ではないのですが(笑)、あくまで「問いを発する」というスタートであり、自由度も高い。示する「問い」によってディスカッションが生まれ、次の展開につながっていく。そのムードが非常に心地よく、またソニーという会社がそういったムードに身を置くと、どういった反応が起きるかに興味もありました。実際に、#SCRAMBLEではその場でクリエイターやアーティストと、テクノロジーの使い道を話し合い、次につながっていきましたから。

金山 お会いしたとき、まさに森さんが「世の中は問いで出来ている」とおっしゃったんです。時代ごとの答えを、人生を賭して答えていくものだと。答えだけが載る参考書に価値がないように、問いかけから始まる街づくりは良い形だと感じました。その伸びしろを握るのがテクノロジーだと僕は思っていますし、#SCRAMBLEのようなプロジェクトを次々に作っていきたいですね。名前の通りに「混ざり合う」がコンセプトですから、今まで相容れなかった官民やコンペティター、クリエイター、一般の参加者が合わさった街づくりには、今後に続くポテンシャルを感じますし、その建て付けがようやく始められたと感じています。



渋谷区とソニーは研究段階を含む先端技術を用い、クリエイターと共創。多数の実験的な展示を行うことで、社会的な課題に取り組む研究・事業を推進しようとしている。

この動画からは、彼らの未来志向と明確なビジョンを、わずかな時間で感じ取れるだろう。ご覧いただきたい。


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Promoted by ソニー株式会社 / 文 = 長谷川賢人 / 写真 = 鈴木久美子(GEKKO)

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