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Allmy / Shutterstock.com

フェイスブックは先日、同社のカリフォルニア州メンロパークの本社内に、外部からのハッキングや不適切な投稿に対処するための「War Room(作戦司令室)」を設置した。

ここでは専門のエンジニアやセキュリティ専門家、弁護士やポリシー担当者らを含む20名のチームが集まり、フェイスブックやインスタグラム、ワッツアップなどの投稿をリアルタイムで監視している。

壁のスクリーンには膨大な投稿が表示され、不適切な投稿が行われた場合、即座に対応しようとしている。フェイスブックはここ数年、世界各地で同様なチームを結成していたが、今回のWar Roomには1箇所に精鋭らが集まり、かつてないレベルの迅速な対応を行おうとしている。

テック業界では以前にも、同様なチームを結成した企業は他にもあり、ウーバーも2014年にWar Roomを設置し、激化する競合との争いに対処しようとしていた。しかし、フェイスブックがこの部屋を設置した背景には、米国の中間選挙を控え、誤った情報が流布されることや、特定の集団が情報操作を行うことを防ぐ目的がある。

フェイスブックはここしばらく、様々な批判にさらされている。ケンブリッジアナリティカが絡んだ、データの不正利用の問題に続き、9月28日にはユーザーのログイン状態を保持する約5000万人分の「アクセストークン」が盗み出される事件が発生した。

調査はまだ続行中だが、フェイスブックは今回のデータ盗難事件は、政治的意図を持つ集団によるものではなく、組織的なスパム業者によるものであると発表した。

さらに、先週は広告代理店が「フェイスブックが広告効果の水増しを行っていた」として、同社を提訴した。訴状によるとフェイスブックは出稿主にアピールするために、動画広告の平均視聴時間を最大で900%も過大に報告していたという。

一方で、米国議会ではフェイスブックやグーグルなどのテック業界の大手に対し、もっと強い規制が必要であるとの声も高まっている。

フェイスブックの株価は今年7月の高値の215ドルから、今では155ドル付近にまで下落している。同社がそのポジションを、なんとか挽回せねばならないことは明らかだ。

そんな状況下において、同社のWar Roomの設置は正しい戦略といえる。米中間選挙に絡む情報操作を防ぐことは、フェイスブックにとって最も優先すべき課題だ。また、今後の企業イメージの回復に向けても、今回の試みが役立つことが期待される。

編集=上田裕資

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