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2018.04.15 12:30

ライブドア事件から12年、ロケット事業で世界が注目の堀江貴文

2005年、フォーブス富豪リストに登場した当時の写真(Photo by Koichi Kamoshida/Getty Images)

2005年、フォーブス富豪リストに登場した当時の写真(Photo by Koichi Kamoshida/Getty Images)

日本の堀江貴文の宇宙ベンチャー事業が注目を集めている。堀江はかつてライブドアの社長だった2005年にフォーブスの「日本の40名の富豪リスト(Japan’s 40 Richest)」に登場し、同年12月時点の資産額は13億ドル(約1390億円)と算定されていた。
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しかし、翌年1月に証券取引法違反容疑で東京地検特捜部の捜査を受けてライブドアの株価は急落。堀江はわずかな期間でビリオネアの地位を失った。その後、逮捕された堀江は2011年から2年近くを刑務所の中で過ごした。

現在45歳の堀江の資産額は5000万ドル以下と推定されるが、彼は地球の重力を振り切って大気圏外に脱出する夢を描いている。堀江は2013年にロケット開発を手がける「インターステラテクノロジズ(IST)」を創業し、低コスト・オーダーメイドのロケット打ち上げサービスで宇宙に乗り込もうとしている。

ISTのプロジェクトはまだ発達段階だ。昨年7月の第1号ロケット「MOMO」の打ち上げは失敗に終わり、発射から数十秒後には海に落下した。
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ISTは昨年12月、第2号ロケットの打ち上げに向けて「レオス・キャピタルワーク」と主要スポンサー契約を結んだと宣言した。次回の打ち上げは4月28日を予定している。

1号ロケットの打ち上げに向けて同社は、主にクラウドファンディングで出資を募り、約25万6000ドル(約2700万円)の支援金を獲得した。1000万円を支払った参加者にはロケットの発射ボタンが押せる特典も用意された。

堀江は今後、ロケットを量産し、製造コストをホンダの「スーパーカブ」と同程度にまで引き下げ、宇宙をもっと身近なものにしようとしている。2020年までに小型衛星を軌道に乗せ、小惑星探査ロケットの打ち上げを実現したい考えだ。

クラウドファンディングで数十万ドルの資金を集める現在の堀江の姿は、十数年前に彼が億万長者だった時代を思うと隔世の感がある。2005年に堀江はニッポン放送の買収を計画したが失敗に終わった。同年夏には自民党のバックアップを受けて衆議院選挙に立候補したが落選した。しかし、様々な試練を経た堀江は今もなお新たなチャレンジを諦めていない。

編集=上田裕資

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