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I write about the multi-leveled wine industry as well as wine history.

ElRoi / shutterstock.com

米国で酒類の売り上げが減少している背景には、医療用大麻法を合法化する州の増加があるのかもしれない。米国とペルーの3大学が共同で行った研究により、そうした可能性が示された。

コネチカット大学、ジョージア州立大学、ペルーの太平洋大学の研究者からなるチームが公表した調査結果は、酒類と大麻の関係に対する多くの人たちの見方を裏付けるものと言えるかもしれない。

研究者らは、米国内で酒類を販売する90の小売チェーン(生鮮食料品店、コンビニエンスストア、ドラッグストア、量販店)の2006~15年の酒類販売に関するデータを米調査会社ニールセンから入手、分析を行った。この調査手法を選んだのは、消費者からの聞き取り調査では正確な情報を得ることができず、正しく実態を把握することはできないと考えられるためだという。

チームは米国内の各州(医療用大麻を合法化した州については、関連法の施行前と後)における酒類の販売状況を分析。さらに、酒類の消費に影響を及ぼす要因である人口統計(年齢や人種)、各世帯の経済状況(収入)についても調査した。

分析の結果、調査対象とした10年間に医療用大麻が合法化された州では、1か月当たりの酒類の売上高がほぼ15%減少していたことが分かった。大麻と酒類は互いを代替、または補完する関係にあるということだ。この結果はさらに、大麻と酒類を消費する主な層は、各州の人口においてほぼ同一だということも示している。こうした結果から見れば、酒類の摂取を合法とする地域で大麻を合法化すれば、酒類の販売には悪影響が及ぶことになると考えられる。

大麻使用者のうち、合法的に販売されている医療用大麻を購入している人の割合は小さい。だが、この調査結果は、今後より多くの州で嗜好(しこう)用大麻が合法化され、大麻がより入手しやすいものになった場合、それらの州での酒類の販売にどのような影響が出るかを示唆するものと言えるだろう。

実際の影響は不明

ただし、大麻が合法化されれば多くの人が、アルコールを摂取する代わりに大麻を使用するようになるのかどうか、その点に関する明確な答えが出たわけではない。

テクノロジー関連の事業向けに金融サービスを行うシリコンバレーバンク(SVB)がワイン業界の最近の動向に関して先ごろ開催したウェビナーでは、「大麻の合法化がワインの消費を減少させることはない」とする業界関係者の意見が聞かれた。

SVBのワイン事業担当の責任者は、影響を受ける可能性が高いのはワインよりもビールだと指摘している。ワインは食事をよりおいしくするものだが、大麻にそうした効果はないためだという。

また、大麻の食欲増進効果にも注目すべきだろう。この点から見れば、大麻の使用によって飲酒量が増える可能性がある。嗜好用大麻が合法化されれば酒類の売り上げは減少するのではなく、増加すると見ることもできる。

編集=木内涼子

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