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Buys, holds, and hopes

Arcansel / shutterstock.com

ビール世界最大手アンハイザー・ブッシュ・インベブが、米テスラが発売予定の電気自動車(EV)セミトラック(トレーラー)40台を予約したことが明らかになった。テスラにとっては、これまでで最多の受注台数になると見られる。

EVトラック40台の売上高は、テスラの利益にそれほど大きな影響を及ぼすものにはならないだろう。だが、生産開始が2019年とされる製品について、有名企業からの予約を早い段階で獲得できたことは、テスラにとって非常に重要なことだと言える。発売前から製品の認知度を高めることにつながるためだ。

大手の予約は格好のPR

アンハイザー・ブッシュはテスラのEVトラックを、自社の醸造施設から半径およそ800kmの卸売販売業者までの配送に使用する予定。EVトラックの導入により、配送の効率性とドライバーの安全性を向上させるとともに、環境負荷の低減を目指したい考えだ。

テスラのEVトラックはすでに、かなりの注目を集めている。米小売最大手ウォルマート、国際物流大手DHL、カナダのスーパーマーケット・チェーン、ロブロウズなどから合計117台の予約を受けている。さらに、これらとは別に米トラック輸送大手、JBハント・トランスポート・サービシズからも複数台を受注している(台数は明らかにされていない)。

テスラはEVトラック1台当たりの価格を15万~18万ドル(約1700万~2040万円)としていることから、117台の受注は売上高2000万ドル程度を意味する。2017年通期の売上高が約110億ドルと予想される同社にとっては、業績に及ぼす影響は限定的になると見られるものの、大企業の関心を引くには効果的だと言えるだろう。PRという側面から見れば、有益なことだ。

今後を決めるポイント

テスラのEVトラックが長期的にどれだけの成功を収められるかは、顧客となる企業の業績しだいということになる。

EVトラックはディーゼルトラックに比べ、メンテナンス費用や維持費を低く抑えることができると期待される。ただし、テスラは現在のところ、トラック運送業界が最も注目する積載量などについて、具体的な数値を明らかにしていない。

テスラは車両重量と積載荷重を合わせた総重量40トンで輸送を行うことが可能だとしているが、それはつまり、積載量はバッテリーのサイズと重量によって制限されるということだ。現時点では、バッテリーの重量は約7トンと推測されているが、これは今後の技術開発によって、さらに軽量化することが可能と見られる。テスラがEVトラックのコスト削減効果などについてより説得力のある情報を提供することができれば、売上高を大幅に増やすことにつながるだろう。

米投資会社パイパー・ジャフレーによると、北米で「クラス8」に分類される大型トラックの市場規模は少なくとも300億ドル程度。年間販売台数は約25万台だ。仮にテスラがEVトラックの販売価格を平均18万ドルとし、向こう5年間で市場シェアの5%を獲得することができればそれだけでも、売上高をおよそ22億5000万ドル引き上げることができる。

編集=木内涼子

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