コダックの例を考えてほしい。1998年、コダックの店舗や17万人の従業員は、街のいたるところに存在した。コダックはカメラ業界大手として大成功を収めていた。
だが当時、すでにデジタルカメラを製造する技術があり、コダックはその技術を持っていた最初の会社の一つであったにもかかわらず、その分野を成長させなかった。自社のフィルム製品との競合を避けたかったためだ。
つまり、コダックはイノベーションを進めリスクを取りたくなかったのだ。後に同社の主力製品を置き換えることになる技術を他社が開発している間、自分たちは傍観していた。新技術や革新的変化に投資する代わりに、次の四半期のみに焦点を当て、長期的な利益について考えなければならない時に、将来への恐れを抱いていた。
ここまで劇的ではないかもしれないが、同様の例は世界中の会社で日常的に見られる。会社の成長と将来を見据える代わりに、社内の政治的風土や無意味な事柄に気を取られている企業は多い。
社員、特に管理職が自分の地位や昇進により関心を向けていると、イノベーションを浪費する風土が生まれる。改革に最も熱心な社員は、燃え尽きるまで、または職場を去るまで沈黙してしまう。変化を引き起こす際に立ちはだかる障害が多すぎるためだ。先見性のある社員がこのような現状に直面しているのは残念だ。
技術が原動力となっている今日の世界では、イノベーションは天文学的なペースで起きており、その成長を支えない企業風土は会社にとって大きな損害となる。あなたの会社に現状維持の精神がはびこっているなら、幹部と共に、会社の現状と将来について話し合おう。
革新的な風土を作る最善の方法の一つは、CEOと幹部にリスクを取ってもらい、会社を同じ繰り返しのパターンに縛り付けている愚行をやめさせることだ。透明性のある企業風土がトップダウンで広まれば、イノベーションが促進され、従業員や顧客が何年にもわたって目にする長期的成長・成功につながる。