※編注：本稿は情報提供のみを目的とするものであり、特定の暗号資産や特定サービスの利用を推奨するものではありません。
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・日本では、選挙・スポーツ・経済イベントを対象とする賭けを含め、オンライン上で行われる賭博行為は、刑法上の賭博罪などの対象となる犯罪とされています。海外で合法的に運営されているサービスでも、日本国内から接続して賭博を行えば賭博罪などに問われる可能性があります。運営者は賭博開帳図利罪など日本の刑法に問われ、刑事責任を負う可能性があります。また、広告・宣伝や決済に関与すると賭博幇助などに問われる場合があります。
あらゆる出来事を賭けの対象とする予測プラットホーム「Kalshi（カルシ）」の企業価値は現在、110億ドル（約1.7兆円。1ドル＝155円換算）に達した。これを受け、共同創業者のルアナ・ロペス・ララ（29）とタレク・マンスール（29）それぞれの推定保有資産は10億ドル（約1550億円）を超えた。またロペス・ララは世界最年少の自力で富を築いた女性ビリオネアとなった。
過酷なバレエ学校時代、プロのバレリーナという経歴を経て、MITで起業への野心を育む
マサチューセッツ工科大学（MIT）でコンピューターサイエンスを学んだロペス・ララは、在学中の夏休みにレイ・ダリオのブリッジウォーター・アソシエーツやケン・グリフィンのシタデル・セキュリティーズで働いていた。彼女はまた、わずか6年で評価額110億ドル（約1.7兆円）のスタートアップを築き上げた。
しかし、ブラジル出身の彼女が「人生で最も過酷だった」と振り返るのはバレエを学んだ高校時代の日々についてだ。ブラジルのボリショイ劇場バレエ学校の教師は、彼女が片脚を耳まで上げた姿勢を保てるかを確かめるため、太ももの下に火のついたタバコをかざした。ライバル同士が相手のシューズにガラス片を忍ばせることもあった。午前7時から正午まで授業を受けたあと、午後1時から午後9時までバレエ漬けの生活が続いた。
しかし、彼女はもっと大きな目標を心に描いていた。目指したのは「次のスティーブ・ジョブズ」になることだった。数学教師の母親と電気技師の父親に影響を受けたロペス・ララは、夜遅くまで学業に打ち込み、ブラジル天文学オリンピックの金メダルや、サンタカタリナ数学オリンピックの銅メダルを獲得した。
12月に高校を卒業すると、その後9カ月間はオーストリアでプロのバレリーナとして過ごしたが、米国で夢を実現するためバレエシューズを脱ぎ、MITへ進学した。
約1550億円の資金調達により、29歳で世界最年少の女性ビリオネアへ
そして現在、29歳の彼女は、世界最年少の自力で富を築いた女性ビリオネアとなった。2025年、テイラー・スウィフトからその座を奪ったScale AI（スケールAI）の共同創業者ルーシー・グオ（31歳）を抜いた形だ。
選挙やスポーツなどのさまざまなイベントの結果を賭けの対象とする予測プラットホーム、Kalshiは今回の資金調達で10億ドル（約1550億円）を確保した。6月に20億ドル（約3100億円）とされた同社の企業価値は、半年足らずで5倍以上の110億ドル（約1.7兆円）へと急伸した。これにより、推定12％の持ち分を保有するロペス・ララと共同創業者マンスールの純資産はそれぞれ13億ドル（約2015億円）に達した。今回のラウンドは暗号資産特化ファンドのパラダイムが主導し、セコイア・キャピタル、アンドリーセン・ホロウィッツ（a16z）、Yコンビネータなどが参加した。
ベンチャーファンドNeoのCEOで、Kalshiにシード投資を行ったアリ・パルトビは、「彼らが市場規模の大きさを証明したことで、この事業に参入したがる企業が一気に増えた」と語る。Kalshiによれば、7月以降の取引総額は8倍に増え、11月には58億ドル（約8990億円）に達した。同社の競合で評価額を90億ドル（約1.4兆円）に急上昇させたPolymarket（ポリマーケット）でも同じ動きが見られ、Dune Analyticsのデータで7月から取引総額が3倍以上に拡大し、11月には43億ドル（約6665億円）に達した。
