要点
世界で最も多くの資産を持つ5人の富豪は、AI関連株の売り圧力、ディズニーの第4四半期決算の内容が明暗を分けたこと、そして米国史上最長の政府機関閉鎖が終了する中での全般的な経済的不確実性による市場の売り圧力により、木曜日午後の時点で合計で約460億ドル（約7兆1100億円）の資産価値を失った。
重要ポイント
テクノロジー株比率の高いナスダック総合指数は2.5%下落、ダウ工業株30種平均は650ポイント（1.35%）下落、S&P500種株価指数は木曜日午後の時点で1.6%下落した。
その結果、フォーブスの推計によると、世界の富豪たちの純資産は急落し、テスラのイーロン・マスク（171億ドル/ 約2兆6400億円減）とオラクルのラリー・エリソン（125億ドル/ 約1兆9300億円減）が最も大きな損失を被った。
フォーブス・リアルタイム長者番付によると、世界で次に裕福な7人もそれぞれ数十億ドルを失い、トップ9人は米国東部時間午後2時の時点で合計586億ドル（約9兆650億円）を失った。
ダウとS&P500の構成銘柄であるウォルト・ディズニーは、収益予想を下回ったものの、利益はアナリスト予想を上回り、同社のケーブルチャンネル配信をめぐってYouTube TVとの長期化する可能性のある争いについて警告した後、木曜日の最大の敗者の一つとなった。
木曜日午後2時30分直後の時点で、ディズニーは約8%下落し、Shopify、テスラ、パランティア・テクノロジーズはいずれも6%以上下落した。
対照的に
バークシャー・ハサウェイの退任予定であるCEOのウォーレン・バフェット氏（95歳）は、木曜日午後の時点で24億ドル（約3710億円）資産を増やし、推定純資産額が再び1500億ドル（約23兆1800億円）の大台を超えた。バフェット氏は、木曜日に資産価値が上昇した世界の富豪トップ10の中で唯一の人物だった。
重要な背景
過去最長の43日間続いた政府機関閉鎖が水曜日遅くに終了したことで、経済状況に関する全般的な不確実性がアナリストに重くのしかかっている。閉鎖期間中は雇用とインフレのデータが公表されず、ホワイトハウスはそれらが公表されることはないだろうと述べていたが、木曜日に方針を転換し、遅延していた雇用データを部分的に公表すると発表した。
国家経済会議のケビン・ハセット委員長は、10月の雇用統計には月間の雇用者数増加のデータは含まれるが、失業率は含まれないと述べた。10月の雇用統計に加えて、ウォール街は労働統計局が9月と10月の消費者物価指数レポートを含む少なくとも他5つの重要な経済指標の公表を待っている。また、投資家は連邦準備制度理事会の当局者が12月の追加利下げについて様々な意見を表明したことから、投資への賭けを縮小している。
