アジア太平洋地域の投資家の注目と資金を集めたスタートアップを取り上げるForbes Asiaの「100 to Watch」。その中から2022年以降に創業した企業15社を紹介する。
選考方法：「100 to Watch」は、アジア太平洋地域に本社を置く未上場の営利企業で、年間売上高が5000万ドル以下、累計調達額が1億ドル以下の企業が対象。Forbes ASIAの編集チームは業界や地域に対する影響力と貢献度、市場適合性、有望なビジネスモデル、革新性、安定した収益成長の実績、資金調達力などを総合的に評価した。創業3年目以内でリスト入りしたのはソフトウェア系企業だけでなく、電動大型トラック製造やタンパク質設計、半導体製造、LLM開発など、実用化に多くの時間やコストを要する事業を展開する企業も数多く含まれた。
インド ：Accacia｜アケイシア
企業向けテクノロジーおよびロボティクス
創業年｜2022年
CEO｜アヌ・タルレジャ
二酸化炭素(CO2)のトラッキングツールを提供し、脱炭素化を支援。不動産開発業者やインフラ企業が、CO2排出量を追跡可能にして、意思決定を助けている。2024年4月にIlluminate Financialが主導し、AC Venturesなどが参加したプレシリーズAで650万ドルを調達した。
パキスタン：DealCart｜ディールカート
Eコマースおよび小売り
創業年｜2022年
CEO｜アマール・ナビード
パキスタンで拡大する中間層をターゲットにしたオンライン 食料品サイトを運営。顧客は新鮮な果物や野菜、スナック、洗剤などの日用品を注文できる。小規模な食料品店も同社の顧客基盤にアクセスして販売を行える。2024年7月にシードで300万ドルを調達した。
シンガポール：Fluid｜フルーイド
金融
創業年｜2023年
CEO｜トレイシー・ルー・ウォルシュ
BNPL(後払い決済)を企業間の取引で利用可能にし、サプライヤーへの支払いに柔軟な選択肢を提供するフィンテック企業。利用企業は、仕入れ先への支払いに使える信用枠を申し込んだり、発行済みの請求書や支払いの進捗を一元的に管理したりできる。累計調達額は700万ドル。
中国：GalaXea AI｜星海図 、ギャラクシアAI
企業向けテクノロジーおよびロボティクス
創業年｜2023年
CEO｜ガオ・ジヤン
清華大学助教授や自動運転企業の元研究開発ディレクターらによって設立。AI技術で複雑な環境内を自律的に移動し、物品運搬や組立ラインでの作業などをこなす人型ロボットを開発。2025年2月のシリーズAで約3億元(約60億円)をアリババの「アント・グループ」主導で調達。
シンガポール：Graas｜グラス
企業向けテクノロジーおよびロボティクス
創業年｜2022年
CEO｜プレム・バティア
予測型AIを活用してEC事業を支援。同社の顧客企業は、 マーケティングや在庫管理に関するデータのインサイトな どにアクセスできる。2022年のシリーズAで4000万ドルを 調達し、インドのデータ専門企業Shoptimizeと、シンガポ ールのECスタートアップSELLinALLを買収した。
シンガポール：K-ID｜ケーアイディー
企業向けテクノロジーおよびロボティクス
創業年｜2023年
CEO｜キーラン・ドノヴァン
ゲーム開発者がプライバシー規制を順守し、若者にとってより安全なオンラインゲームを提供するためのソフトウェア を開発。2024年6月に発表したシリーズAでアンドリーセン・ホロウィッツなどの投資家から4500万ドルを調達し、累計調達額が5100万ドルに達した。
韓国：Mine.is｜マインイズ
Eコマースおよび小売り
創業年｜2022年
CEO｜キム・ヘソン
ブランド志向が強い韓国を拠点に有名ブランドの古着を格 安で購入できるマーケットプレイス「Charan(チャラン)」 を運営。2024年4月にはAltos VenturesやSBVA(旧ソフ トバンク・ベンチャーズ・アジア)らが参加したシリーズA で1 0 0億ウォン(約1 0億円)を調達した。
