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ビジネス

2025.08.08 13:15

世界最大人材コンサル元日本トップが明かす「ヘッドハント人材の要件激変」の内訳

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世界最大の人材組織コンサルティング会社コーン・フェリー元日本代表の妹尾輝男氏は、30年以上、グローバル企業を中心にエグゼクティブ人材のヘッドハンティングに関わってきたエグゼクティブ・コーチだ。

長年のコーチング経験を通じて体得した、ビジネス・パーソンとしての「成長の極意」を書いた『成長の書』(講談社刊)を上梓したばかりの氏に、世界で通用するエグゼクティブの条件とは? 選ばれる人と選ばれない人の決定的な差とは? そしてヘッドハントされる人材の要件はここ10年でどう「激変」したか? をテーマに以下ご寄稿いただいた。


自分をアップデートし続けられるか?

この10年、世の中の変化はまさにジェットコースター。生成AIの登場、DXの加速、サステナビリティ重視の流れ、さらには地政学リスクまで、ビジネスを取り巻く環境はどんどん“予測不能”になってきています。

これだけ複雑な変化が同時多発的に起きていると、「どれから手を付けるべきか」と悩むこともあるでしょう。でも、一歩引いて全体を眺めると、実はシンプルな真実が見えてきます──それは『正解のある世界』から『正解の見えない世界』への本格的な移行です。

私は30年以上、グローバル企業を中心にエグゼクティブ人材のヘッドハンティングに関わってきましたが、最近とみに感じるのは、“選ばれる人”の条件がガラリと変わったということです。

10年前は、専門性があって決めたことを粘り強くやり切る“実直な人”が求められていました。これは、直線的な成長が期待できた時代の王道パターンだったと言えるでしょう。

でも今や、過去の成功体験が次の勝利を保証してくれる時代ではありません。むしろ、“昨日の当たり前”が今日には通用しなくなる。そんな時代に必要なのは、「自分をアップデートし続ける人材」なのです。

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特に重視されるのは「行動→振り返り→学び→修正→再挑戦」というサイクルをどれだけ主体的に回せるか。そして、その能力は「学びの俊敏性(Learning Agility)」として捉えられます。これは単なる知識量やIQとは異なり、新しい環境に素早く適応し、仮説を構築して自ら動けるかどうかの力です。

学びの俊敏性が高い人は、日頃から世の中に対して好奇心を持ち、異質な考えや経験に積極的に触れている傾向があります。単に知識をアップデートするのではなく、「自分の前提を疑い、新しい文脈で意味づけし直す」柔軟性を持っているのです。

リスクを取る気構えがあるか?

さらに重要なのは「リスクを取れるかどうか」。私の経験では、日本人候補者がグローバルCEOの最終候補者までなかなか残れない原因の多くが「リスクを取る気構えの欠如」にあります。英語力や業界知識、人格面では全く問題がない。それでも「不確実な環境で意思決定をし、責任を引き受けられるか」という観点で、最終候補から外されるケースが少なくありません。

日本の社会構造や教育制度、そして企業文化には、「失敗を許容しない」「リスクを避けることが美徳」というメンタリティが根強くあります。しかし今、求められるのはその真逆。曖昧さを抱えたまま決断できる、ある種の“しなやかな強さ”なのです。

また近年注目されているのが、「パーパス」と「心に刺さるメッセージの発信力」です。経営者やリーダーには、会社の存在理由、つまり「なぜこの事業をやっているのか」を言語化し、社員一人ひとりに伝える能力が求められます。言葉に力がなければ、変化を導くことはできません。

社員もまた、自分が何のためにこの仕事をしているのか、自分のキャリア・アップと会社のミッションがどう重なるのかを理解していないと、本気でついてくることはありません。

「過去の栄光」に頼るエグゼクティブは選ばれなくなり、「未来に対する問い」を持つ人材が選ばれる時代になったのです。

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