━━いまのVC業界にはどんな課題があると感じていますか? それに対して、Hustle Fundはどう取り組んでいるのでしょうか?
Shiyan:シリコンバレーのベンチャーエコシステムは、今なお人脈や知り合いの紹介に大きく依存しています。これは、非伝統的なバックグラウンドをもつ創業者にとって大きな障壁となっています。
Hustle Fundでは、透明性とデータに基づいた評価を大切にしています。創業者の実行力にフォーカスし、学歴や人脈ではなく「ハッスル力」で判断します。私たちのモットーは、“Great hustlers look like anyone and come from anywhere.”(すごいハッスラーに人種や出身は関係ない)です。
今では、6大陸すべてに投資実績があります(南極大陸を除いては!)。
━━近年のスタートアップ業界において、注目しているトレンドはありますか?
Shiyan:生成AI関連のプロダクトやインフラへの投資が増えているのは顕著ですね。特に非技術系の創業者でもプロトタイプを短時間で構築できるようになってきたことが大きいです。
また、フィンテックも引き続き成熟してきており、特にエンベデッドファイナンス(組込型金融)や越境ソリューションなどが注目されています。加えて、クライメートテック(気候テック)やサステナビリティ領域の存在感も急速に高まっています。
━━今後5〜10年で、VC業界はどう変化していくと思いますか?
Shiyan:すでに見られる傾向ですが、大手VCを離れて小規模ファンドを立ち上げる人や、起業後にエグジットした創業者がGP(ジェネラル・パートナー)になるケースが増えています。今後さらに、分散化とグローバル化が進むと考えています。投資家と起業家はテクノロジーを活用してよりシームレスに、国境を越えて協力していくと思います。さらに、投資プロセスの民主化も引き続き進展していくでしょう。これまでの伝統的な人脈ネットワークに依存した投資プロセスから、世界中の多様な起業家が支援を受けやすくなる動きが加速するはずです。
また、VCファーム自身も「資本の供給者」から「創業者の伴走者」へと変化しています。資金だけでなく、営業支援やメディア露出、コミュニティなど、多面的にサポートすることが求められています。Hustle Fundでも、営業・成長支援のプログラムを開発したり、ポートフォリオ企業のためのディストリビューションチャネルとしてメディアをもったりしています。


