3. 男性は女性の口元に注目
男性と女性の参加者の間で最も明確に示された違いの1つは、男性が女性の顔をどのように判断するかだった。具体的には、男性は口元を見つめる時間がかなり長かった。そして長い口元への注目は、魅力の高い評価とつながっていた。
心理学の観点から、この発見は以前発表された研究結果と一致している。専門誌『Personality and Individual Differences（パーソナリティ・アンド・インディビジュアル・ディファレンシーズ）』に2023年に掲載された研究では、男性は女性の魅力を評価する際、若さや生殖能力を連想させる特徴を重視する傾向があることを示している。
こうした意味で、唇のふっくらした感じや唇の表面の滑らかさは、顔の表情や性的魅力を発信するのに不可欠な役割を果たす。そのため、男性の注意を引くものなのかもしれない。
4. 女性は男性の目と髪に注目
男性が口元に注意を向けていたのに対し、女性は男性の目と髪に注目していた。男性の場合と同様に、女性がこの2つの特徴に長時間注意を払うことは、高い魅力評価につながっていた。
専門誌『Journal of Personality and Social Psychology（ジャーナル・オブ・パーソナリティ・アンド・ソーシャル・サイコロジー）』に1990年に掲載された研究によると、女性が魅力を評価する際に相手の目に注意を払うのは、主に社交性や親しみやすさを見極めるためだという。目が「心の窓」だとみなされることが多いことを考えると、これは大いにあり得ることだ。
一方、髪の毛に注目するのは、その人が身だしなみの習慣や自己ケアにどれだけ注意を払っているかを、髪の生え際はその人の活力を示すものと考えられるからかもしれない。
この2つの特徴は、その人の性格や社会的地位、健康状態などを知る手がかりとなり得る。女性にとってこのような心理的・社会的要因は、もしかするとパートナーになるかもしれない相手の魅力を評価する際に、進化という意味合いで大きな役割を果たしている。
5. 魅力には目、口、髪が関係
全体として、見ている人の性別に関係なく、口と髪、顔の中央の三角形部分を見ている時間が長いほど、魅力を高く評価することが研究で示された。
研究を通して、これらの特徴がポジティブな第一印象の形成に中心的な役割を果たしていることが明らかになった。これは、これらの特徴が顔の他の部位からは得られない洞察を与えてくれるからだと考えられる。
髪は身だしなみを反映し、口は健康と活力を示し、顔の中央の三角形部分は左右対称性をはっきり示している。これらの要素はすべて、さまざまな人の目にアピールするようだ。
これは、魅力的な人が単に「良い特徴」を持っていると言っているのではない。むしろ私たちが誰かを魅力的だと思うとき、これらの特徴は自然に私たちの注意を引く傾向がある。つまり、評価時に自然に目立つのだ。
（補足：魅力がどのように評価されるかにおいて、顔の特徴は大きな役割を果たすが、考慮する特徴はそれだけではない）
6. 額や首への注目は、魅力度が低いことを示す
最も興味を引く点は、視線を向けることがすべて魅力と関連しているわけではないということだ。具体的には、額や首に視線が向けられる人ほど、魅力の度合いはかなり低かった。
研究の著者らは、これらの部位が目につく場合は特に、視線をそらす先として認識される可能性があると示唆している。つまり、私たちの視線が顔の中央の三角形部分から離れ、あまり有益な情報を発しなかったり、左右対称でなかったりする特徴に目が留まり始めると、それが何であるかを明確にできなくても、何かが「しっくりこない」ことを表しているのかもしれない。
